小ネタ集11

❰悪夢❱ハルクとタスクの会話文。


アリスがハルクの部屋を出て行く。その後を追いかけようとするハルク。しかし。



「ちょっ…どこに行くんだよ!アリス」

「ちょいと待った」

「タスク兄、なんだよ!アリスが出て行っちまっただろ!」

「お前さ、なーんで言わなかったの?」

「何が?」

「22時前にアリスにちゃんと言ってれば、アリスは屋敷から出られたのに」

「気づかなかっただけ…」

「嘘つくなよ。お前さ、22時になっても、アリスが帰らないのを黙っていただろ?」

「……」

「しかも、アリスの腕時計も止まってるのも見逃さなかった。違う?」

「……前みたいに一緒にいたかったから」

「前って、オレ達の書斎で寝てた時のこと?」

「そう。あの時はカルロもいたけど。それにアリスの傍で寝てると、悪夢を見ないから」

「悪夢?」

「昔から悪夢を見ること多くて、夜中に何度も目を覚まして、朝まで寝られなかった」

「ああ、オレも悪夢はよく見てたわ。今もたまにあんな…。昔ほどじゃねーけど」

「アリスが来てからは見なくなったけど、今度は違う悪夢を見るようになった」

「違う悪夢?」

「オレの前からアリスがいなくなるんだ。必死に追いかけても、アリスは去って行って…!あれが現実になったら、オレ…」

「夢は夢だろ。気にすんな!」

「………うん」


そして、ハルクは部屋を出て行き、アリスを追いかけた。
残されたタスクは───



「ハルクもか。オレも少し前から、リコリスがいなくなる夢を見るようになったんだよな。杞憂ならいいけど」



















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