小ネタ集10

❰逆ナン❱


久々の休み。一人で街に来た。
たまには服屋でも行くかな。新しいのしばらく買ってなかったし。あ、下着も買わないとだよな。
さて、適当に見て回るか。



「そこのお兄さん、今お暇ですか?」

「え」


声をかけて来たのは、可愛い女の子だった。
どうしよう。俺、逆ナンされた…。初めてだ。
この子と遊んじゃうか?今、彼女いないし。いや、俺は買い物に来たんだろ!

どうしようかと迷っていると、目の前にいる子が笑い出す。



「あははは。ウケる!」


この声は、毎日聞いてる声だ。まさか…!



「メイズ!」

「アンくんの姿を見つけたんで、からかってやろうとしたら…。ははは!逆ナンされたことはないんすね」

「ある!」

「いや、あの反応はないっすよ!アンくんは」

「なくて悪かったな。街には一人で来たことないんだよ!大体が女と来ることが多かったし」


女じゃなくても、買い物はほとんどスマルトと来ることが多かった。最近、休みが合わなくて、一緒に来れてないけど。



「お前、何でそんな格好で歩いてんだよ。しかも、メイクまでバッチリして」

「おれ、たまにこういう服を来て、街に来てるんすよ。女装してると毎回、ナンパされて断るの大変なんすよね!」

「大変そうに見えないけどな、まったく…」

「いやいや、今日はマジっす。さっきからやたらしつこい野郎どもがいんすよ。ほら、あそこの…」


メイズが言った先に若い男の二人組がいた。歩いている女をナンパしてるようだか、相手にされていない。だが、めげずに声をかけているようだ。



「だから、アンくん。一緒に回りません?服買いに来たんでしょ?見てあげるっすよ!」

「まあ、そうだな。お前ならセンスはあるし」

「よーし!そうと決まれば。早速、服屋に行くっすよ!アンくん」

「わかったから、急に腕を引っ張るな!」


その後、メイズと二人で服屋を巡る。
俺が選ばないような色や服などを見つけては、試着室に向かわせられた。気に入ったやつは何点か買ってみたが。

だけど、見てもらったのは助かったが、メイズの高い服までも買わせられたのは、納得いかない!


















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