Boy and Maid2






一年後。
新たに邸に使用人が複数雇われたらしい。その様子を見ながら、兄弟達は好き勝手に言っていた。



「またメイドが増えんのー?」

「こら、そういうこと言っちゃだめだよ。皆、仕事で来てるんだから」

「だって、カルロ様とか言って、仕事全然しないの多いじゃん。ホントに目障り」

「確かに。カルロはさっさと婚約者を決めた方がいいんじゃない?遊んでばっかいないで」

「遊んでるつもりはないんだけどなー。それは自分には婚約者いるからかな?タスク」

「あったりー。リコリスは世界一可愛…」

「うざ!もうソイツにリコリスの話をさせないでよ。話が長くなんだから」

「好みのタイプいれば、いいよなー」

「「「お前は誰でもいいじゃん」」」

「んなことねーよ。好みなら男女関係ないぜ」

「人はそれを節操なしという…」


カルロ、ライ、タスク兄、ドラの会話を聞きながら、オレはとある方向を見ていた。すると、リク兄が声をかけてきた。



「ハルク。どうかしたの?」

「え?」

「ずっと使用人の屋敷を見ているから。知り合いでもいた?」

「別に。オレ、ちょっと行ってくる!」


そう言って、談話室を出た。
向かった先は、使用人の屋敷がよく見える大きな木。よじ登り、そこから屋敷の中を覗く。

荷物を抱えた数人の女達と案内しながら歩くメイド長の姿。



「……いた」


その中に見覚えのある顔があった。公園でオレにお菓子をくれた女だった。間違いねェ。



「……やっと見つけた…」





その後。

アイツが使用人の屋敷でお菓子を作っていることを知った。けど、アイツは出会った時のように食べさせてくれなかった。
ていうか、オレのことを全然覚えていなかった!





【END】
(2022.02.18)




一年後。
新たに邸に使用人が複数雇われたらしい。その様子を見ながら、兄弟達は好き勝手に言っていた。



「またメイドが増えんのー?」

「こら、そういうこと言っちゃだめだよ。皆、仕事で来てるんだから」

「だって、カルロ様とか言って、仕事全然しないの多いじゃん。ホントに目障り」

「確かに。カルロはさっさと婚約者を決めた方がいいんじゃない?遊んでばっかいないで」

「遊んでるつもりはないんだけどなー。それは自分には婚約者いるからかな?タスク」

「あったりー。リコリスは世界一可愛…」

「うざ!もうソイツにリコリスの話をさせないでよ。話が長くなんだから」

「好みのタイプいれば、いいよなー」

「「「お前は誰でもいいじゃん」」」

「んなことねーよ。好みなら男女関係ないぜ」

「人はそれを節操なしという…」


カルロ、ライ、タスク兄、ドラの会話を聞きながら、オレはとある方向を見ていた。すると、リク兄が声をかけてきた。



「ハルク。どうかしたの?」

「え?」

「ずっと使用人の屋敷を見ているから。知り合いでもいた?」

「別に。オレ、ちょっと行ってくる!」


そう言って、談話室を出た。
向かった先は、使用人の屋敷がよく見える大きな木。よじ登り、そこから屋敷の中を覗く。

荷物を抱えた数人の女達と案内しながら歩くメイド長の姿。



「……いた」


その中に見覚えのある顔があった。公園でオレにお菓子をくれた女だった。間違いねェ。



「……やっと見つけた…」





その後。

アイツが使用人の屋敷でお菓子を作っていることを知った。けど、アイツは出会った時のように食べさせてくれなかった。
ていうか、オレのことを全然覚えていなかった!





【END】
(2022.02.18)
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