Boy and Maid2
お菓子を作った。
でも、相手は私のような庶民が作るお菓子などを食べるような人じゃない。作っても渡せることなどない。
なら、何で私は作ったのだろう。自己満足?わからない。気づけば作っていたから。
天気が良いから、外でそれを食べようと歩いていた。リク様の邸に近い公園。ここでいいか。適当なベンチに座り、鞄からラッピングしたお菓子を取り出し、開け始めた。一つを口に入れて、咀嚼する。私が今まで作った中で一番上手く出来た気がする。
……渡したかったな。でも、食べてはもらえない。私が今持っているものは、想いだけが残ってしまったお菓子、なだけ。
だから、私が食べるしかない。
「なんで泣いてんの?」
男の子の声がした。
服は、家柄のいい人間しか通えない学園の制服。初等部だろう。でも、この子は大分、気崩してるけれど。兄弟の影響かな?
「どっかいたいのか?」
「違うよ」
私の涙にその子が心配そうに聞いてくるから、慌てて涙を拭う。恥ずかしい。こんな小さな男の子に泣いてるところを見られるなんて。
「心配してくれたんだね。ありがとう」
「オレは…べ、別に…そんなんじゃ…!」
私は持っていたお菓子を差し出す。男の子は不思議そうに首を傾ける。
「?」
「…あげる。なんて見知らぬ人間のものなんて食べないか。君、お坊っちゃまだもんね」
「……」
差し出したお菓子を引こうとしたら、その子はお菓子を口に入れた。
「うまい!これ、どこで売ってる菓子!?」
「売ってる?」
「だって、こんなうまいお菓子、今まで食べたことたねェし!」
キラキラと目を輝かせながら、その子は言ってきた。そこまで喜んで食べてくれるなら…。
「気に入ったなら、残りあげるよ?食べかけだけど」
「いいのか!?食べたい!」
私はその子に残りのお菓子をあげた。その子は勢いよく食べる。
「ありがとう。それじゃあね…」
「あ、待っ…!」
「お坊っちゃま!見つけましたよ!!」
「げっ…」
キチッとした服を着た男の人に男の子が捕まっていた。おそらく使用人だろう。息を切らしているから、ずっとこの少年を探していたのかもしれない。あの子、わんぱくそうな感じだったし、世話する人は苦労はしそうだよね。
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お菓子を作った。
でも、相手は私のような庶民が作るお菓子などを食べるような人じゃない。作っても渡せることなどない。
なら、何で私は作ったのだろう。自己満足?わからない。気づけば作っていたから。
天気が良いから、外でそれを食べようと歩いていた。リク様の邸に近い公園。ここでいいか。適当なベンチに座り、鞄からラッピングしたお菓子を取り出し、開け始めた。一つを口に入れて、咀嚼する。私が今まで作った中で一番上手く出来た気がする。
……渡したかったな。でも、食べてはもらえない。私が今持っているものは、想いだけが残ってしまったお菓子、なだけ。
だから、私が食べるしかない。
「なんで泣いてんの?」
男の子の声がした。
服は、家柄のいい人間しか通えない学園の制服。初等部だろう。でも、この子は大分、気崩してるけれど。兄弟の影響かな?
「どっかいたいのか?」
「違うよ」
私の涙にその子が心配そうに聞いてくるから、慌てて涙を拭う。恥ずかしい。こんな小さな男の子に泣いてるところを見られるなんて。
「心配してくれたんだね。ありがとう」
「オレは…べ、別に…そんなんじゃ…!」
私は持っていたお菓子を差し出す。男の子は不思議そうに首を傾ける。
「?」
「…あげる。なんて見知らぬ人間のものなんて食べないか。君、お坊っちゃまだもんね」
「……」
差し出したお菓子を引こうとしたら、その子はお菓子を口に入れた。
「うまい!これ、どこで売ってる菓子!?」
「売ってる?」
「だって、こんなうまいお菓子、今まで食べたことたねェし!」
キラキラと目を輝かせながら、その子は言ってきた。そこまで喜んで食べてくれるなら…。
「気に入ったなら、残りあげるよ?食べかけだけど」
「いいのか!?食べたい!」
私はその子に残りのお菓子をあげた。その子は勢いよく食べる。
「ありがとう。それじゃあね…」
「あ、待っ…!」
「お坊っちゃま!見つけましたよ!!」
「げっ…」
キチッとした服を着た男の人に男の子が捕まっていた。おそらく使用人だろう。息を切らしているから、ずっとこの少年を探していたのかもしれない。あの子、わんぱくそうな感じだったし、世話する人は苦労はしそうだよね。
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