Boy and Maid1




翌朝。

本館の邸に足を運ぶ。ここに来たのは、初日以来だ。こちらは特定の使用人しか入れないからだ。許可がないと入れないし、それだけ厳しいのである。というか、ここにリク様の部屋もあるんだよね…。ああ、これがリク様のお世話係だったら、どんなに良かったか!

昨日、メイド長に教わったハルク様の部屋に向かう。ドアの前に立ち、三回ノックする。すると、中から返事があり、許可を得て入る。



「失礼します」


中には、生意気なクソガキ…じゃなく、ハルク様がおられた。



「やっと来たな」

「来たな、じゃない!何で私をお世話係にしたのよ!!」

「お菓子、食べさせてくれないから」

「あのね、君の世話係になっても、お菓子は作れないのよ!?」

「ええっ…」


すると、すごくガッカリした顔をする。ちょっとやめてよ!私がいじめてるみたいじゃないの。



「当たり前でしょ!君にはプロの料理人が作って用意をしてくれるんだから」

「オレはお前のお菓子が食べたい!作れ!」

「命令はきけません。ついでにお世話係も辞退したいから、帰ってもいいですか?」

「ダメ!」

「いや、どっちも無理だから!」

「やだ!」


部屋から出て行こうとすると、必死に抵抗された。だから、何で!?お菓子はともかく、お世話係は私じゃなくてもいいはずだ。それなのに、この子は私から離れない。



「だから、離して…」

「絶対ヤダ!オレはお前じゃなきゃ…」



結局、この子のしつこさに負けて仕方なく、お世話係は引き受けた。引き受けた瞬間の勝ったーって顔がすごいムカついたけど。
引き受けたからには、ちゃんと仕事はするんだから!





だが、この先、自分に色々な出来事が待ち受けていることに、この時の私は、まだ何も知らなかった────。





【END】
(2022.02.16)


翌朝。

本館の邸に足を運ぶ。ここに来たのは、初日以来だ。こちらは特定の使用人しか入れないからだ。許可がないと入れないし、それだけ厳しいのである。というか、ここにリク様の部屋もあるんだよね…。ああ、これがリク様のお世話係だったら、どんなに良かったか!

昨日、メイド長に教わったハルク様の部屋に向かう。ドアの前に立ち、三回ノックする。すると、中から返事があり、許可を得て入る。



「失礼します」


中には、生意気なクソガキ…じゃなく、ハルク様がおられた。



「やっと来たな」

「来たな、じゃない!何で私をお世話係にしたのよ!!」

「お菓子、食べさせてくれないから」

「あのね、君の世話係になっても、お菓子は作れないのよ!?」

「ええっ…」


すると、すごくガッカリした顔をする。ちょっとやめてよ!私がいじめてるみたいじゃないの。



「当たり前でしょ!君にはプロの料理人が作って用意をしてくれるんだから」

「オレはお前のお菓子が食べたい!作れ!」

「命令はきけません。ついでにお世話係も辞退したいから、帰ってもいいですか?」

「ダメ!」

「いや、どっちも無理だから!」

「やだ!」


部屋から出て行こうとすると、必死に抵抗された。だから、何で!?お菓子はともかく、お世話係は私じゃなくてもいいはずだ。それなのに、この子は私から離れない。



「だから、離して…」

「絶対ヤダ!オレはお前じゃなきゃ…」



結局、この子のしつこさに負けて仕方なく、お世話係は引き受けた。引き受けた瞬間の勝ったーって顔がすごいムカついたけど。
引き受けたからには、ちゃんと仕事はするんだから!





だが、この先、自分に色々な出来事が待ち受けていることに、この時の私は、まだ何も知らなかった────。





【END】
(2022.02.16)
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