Boy and Maid 8

昔。
庶民の男の子に言い寄ったことがある。結構、人気のある男の子で、うちの学園でも彼見たさに練習試合も観に行っていた子達もいるくらいに。

自分に自信があった。絶対にフラれることはないと。しかし。「好きな子がいるから」と断られた。何度告白しても、彼は断ってきた。初めてだった。男の子に相手にされなかったことなんて。

調べるとその子には、男の子の隣の家に住む幼馴染みがいた。彼の隣にいつもその女がいた。その女の名前は、今でも覚えている。忘れるものか。


アリス・パンナコッタ。

またこの女だ。あれ以来、あの彼以外に手に入れられなかった男はいなかった。
なのに、また欲しいと思う男がいると、必ずこの女がいる。許さない。この女だけは!

ドルチェ家の兄弟はあたしのもの。あんたなんかに渡しはしない。



「今度こそ、あたしのモノにするんだから…!」





【END】
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