Boy and Maid 5
「痛て!」
「ご、ごめんなさい!大丈夫ですか!?」
「ったく、よく前を見……………アリス?」
「えっ…何で私の名前、知って…」
相手の顔をよく見た。お坊っちゃまと同じくらいのツリ目の男の子。
ん?何か見覚えがあるような…。
「あ、リゼル!?」
「今気づいたのかよ。相変わらずだな、お前」
「二年…三年ぶりかー。大きくなったね!」
「小さくなるわけねーだろ。今年で中学生なんだし」
「そっか!リンネと同い年だったね。それにしても早いなー」
「アリスは今年で18だっけ?」
「そう!R指定のものが解禁なんだよ!」
「ははっ。お前、本当に考えが斜め上だよな!」
しばしリゼルと立ち話していたら、私はすっかり忘れていたのである。
─────お坊っちゃまのことを。
「アリス!!」
「へっ!?………あ、お坊っちゃま…」
「お前、何してんだよ!後ろについてきてると思ったら、いねェし。迎えに来たら、知らねェヤツと話し込んでるし。てか、誰だよ!コイツ」
「それはこっちの台詞だ。てめーこそ、誰だよ!」
え、何で二人は睨み合っているの?初対面なのに。若い子は血気盛んなの??同い年なんだから、仲良くしよう!
「まあまあ、二人共落ちついて!」
「「……」」
二人共、何故無言で私を睨むの!怖いから!
おかしいな。私、年上なのに…。こうなったら、早く二人を引き離そう!!
「アガットさんも待たせていますし、行きましょうか!さ、お坊っちゃま。行きますよ!………それじゃあ、リゼル。またね!」
私はお坊っちゃまの腕を引っ張るようにして、お店から出た。荷物はほとんどお坊っちゃまが持って行ってくれたから、一つだけ。先に持って行ってもらって助かったわ。
「てか、アイツ、お前の何!?」
「リゼルのことですか?私の父の友人の子です。ほら、去年のお花見に行った帰りにカルロ様と一緒にいた人がいたじゃないですか!その人の弟ですよ」
「知らねェ。覚えてねェ」
「そ、そうですか…」
これは何を言ってもだめだな。聞く耳を持たない。話を変えよう。
「さっきの彼、お坊っちゃまと同い年なんですよ!昔はうちの家族とリゼル達の家族でよくお花見とか行ったんですよ。私がおにぎり作るのが大きくなったのも、リゼルが…」
「……………ふーん…」
怖っ!人を目線だけで殺せそうなんだけど。しかも、更に機嫌悪くなった感じがする。リゼルの話はだめだったか。
話しているうちにアガットさんがいるところまで来ていた。
でも、私は不機嫌MAXのお坊っちゃまの隣に座りたくなかったので、助手席に逃げた。
「アガットさん。お待たせしてすみません!帰りましょう!!」
「俺は平気ですけど(後ろに座らなくて、いいんですか?)」
「(お坊っちゃま、今は機嫌が良くないので、話しかけない方がいいです!)」
「それじゃあ、帰りましょうか!!」
アガットさんが車を動かし、屋敷へと走らせる。
私は屋敷に帰るまで、一度も後部座席を見なかった。私が話しかけても、機嫌良くなることはないだろうから。
「それじゃあ、お坊っちゃまは先にお部屋に戻ってください!」
「荷物、どうすんだよ?」
「アガットさんに頼むからいいですよ!ほら、使用人の屋敷にお坊っちゃまは入れませんから」
「……わかった」
「それでは!」
機嫌は先程よりはマシになってはいたが、あまり良くない。
アガットさんに頼み、食材を部屋まで運んでもらった。礼を言うと同時にお坊っちゃまへお菓子を渡してもらうように頼んでから、別れた。
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「ご、ごめんなさい!大丈夫ですか!?」
「ったく、よく前を見……………アリス?」
「えっ…何で私の名前、知って…」
相手の顔をよく見た。お坊っちゃまと同じくらいのツリ目の男の子。
ん?何か見覚えがあるような…。
「あ、リゼル!?」
「今気づいたのかよ。相変わらずだな、お前」
「二年…三年ぶりかー。大きくなったね!」
「小さくなるわけねーだろ。今年で中学生なんだし」
「そっか!リンネと同い年だったね。それにしても早いなー」
「アリスは今年で18だっけ?」
「そう!R指定のものが解禁なんだよ!」
「ははっ。お前、本当に考えが斜め上だよな!」
しばしリゼルと立ち話していたら、私はすっかり忘れていたのである。
─────お坊っちゃまのことを。
「アリス!!」
「へっ!?………あ、お坊っちゃま…」
「お前、何してんだよ!後ろについてきてると思ったら、いねェし。迎えに来たら、知らねェヤツと話し込んでるし。てか、誰だよ!コイツ」
「それはこっちの台詞だ。てめーこそ、誰だよ!」
え、何で二人は睨み合っているの?初対面なのに。若い子は血気盛んなの??同い年なんだから、仲良くしよう!
「まあまあ、二人共落ちついて!」
「「……」」
二人共、何故無言で私を睨むの!怖いから!
おかしいな。私、年上なのに…。こうなったら、早く二人を引き離そう!!
「アガットさんも待たせていますし、行きましょうか!さ、お坊っちゃま。行きますよ!………それじゃあ、リゼル。またね!」
私はお坊っちゃまの腕を引っ張るようにして、お店から出た。荷物はほとんどお坊っちゃまが持って行ってくれたから、一つだけ。先に持って行ってもらって助かったわ。
「てか、アイツ、お前の何!?」
「リゼルのことですか?私の父の友人の子です。ほら、去年のお花見に行った帰りにカルロ様と一緒にいた人がいたじゃないですか!その人の弟ですよ」
「知らねェ。覚えてねェ」
「そ、そうですか…」
これは何を言ってもだめだな。聞く耳を持たない。話を変えよう。
「さっきの彼、お坊っちゃまと同い年なんですよ!昔はうちの家族とリゼル達の家族でよくお花見とか行ったんですよ。私がおにぎり作るのが大きくなったのも、リゼルが…」
「……………ふーん…」
怖っ!人を目線だけで殺せそうなんだけど。しかも、更に機嫌悪くなった感じがする。リゼルの話はだめだったか。
話しているうちにアガットさんがいるところまで来ていた。
でも、私は不機嫌MAXのお坊っちゃまの隣に座りたくなかったので、助手席に逃げた。
「アガットさん。お待たせしてすみません!帰りましょう!!」
「俺は平気ですけど(後ろに座らなくて、いいんですか?)」
「(お坊っちゃま、今は機嫌が良くないので、話しかけない方がいいです!)」
「それじゃあ、帰りましょうか!!」
アガットさんが車を動かし、屋敷へと走らせる。
私は屋敷に帰るまで、一度も後部座席を見なかった。私が話しかけても、機嫌良くなることはないだろうから。
「それじゃあ、お坊っちゃまは先にお部屋に戻ってください!」
「荷物、どうすんだよ?」
「アガットさんに頼むからいいですよ!ほら、使用人の屋敷にお坊っちゃまは入れませんから」
「……わかった」
「それでは!」
機嫌は先程よりはマシになってはいたが、あまり良くない。
アガットさんに頼み、食材を部屋まで運んでもらった。礼を言うと同時にお坊っちゃまへお菓子を渡してもらうように頼んでから、別れた。
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