Boy and Maid 5
卒業式も終わり、中学校の入学式まで一週間と迫ったある日。
部屋に来た私にお坊っちゃまが言ったのである。
「アリス。何か約束を忘れてねェ?」
「約束?」
お坊っちゃまにそう聞かれたので、しばし考えてみる。が、何も思いつかない。
「うーん、特に何もないはずですけど…」
「花見!去年、また来年やろうって言ってたのは誰だよ!」
「………あ」
そうだった。すっかり忘れていた。
だから、卒業式が終わってからお坊っちゃまが私を見ていたのか。私が気づくまで待っていたのだろう。初めから口で言ってくれればいいのに…。
「桜咲き始めてっから、近いうちに満開になるぞ」
「そうですね。でも、次の日曜日は休みじゃないんですよね」
「誰かと代わればいいだろ!」
「それはちょっと…。あ!この屋敷にも桜の木があるじゃないですか!そこでお花見しま…」
「ヤダ」
このワガママ坊っちゃまは💢あんなに立派な桜の木があるのに、何が嫌なのよ!
「お花見したいなら、ここの桜でもいいじゃないですか」
「ここでやったら、二人きりになれ…余計なヤツらが来るだろ!」
「余計なヤツら??」
何か言いかけてたけど、よく聞こえなかった。お坊っちゃま、たまに何か言いかけるんだけど、よく聞こえないのよね。もう少しハッキリ言ってくれたらいいのに。
「いてもいいじゃないですか。人数が沢山いた方が楽しいですよ!」
「絶対にヤダ」
うーん、お花見って皆で楽しむものだと思っていたんだけど、お坊っちゃまは違うみたいだな。二人だけでやるものじゃないんだけど。
「仕方ありません。急ですが、明日行きましょう」
「明日?」
「はい。私、休みなので。お坊っちゃまも春休みですし。食材も前回に比べると、用意が出来てないので、かなり少なくなりますけど、それでもいいなら…」
「それでいい!てか、買い物行くなら、今行けばいいじゃん。アガットもいるはずだし!車出してもらおうぜ!」
「え、ちょっと!お坊っちゃま!?」
腕を引かれ、アガットさんのいる場所に連れて行かれた。幸い、何もないから、車を出すのは構わないと連れて行ってくれることになって助かったけど。
お坊っちゃまは本当に言い出したらきかない。
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部屋に来た私にお坊っちゃまが言ったのである。
「アリス。何か約束を忘れてねェ?」
「約束?」
お坊っちゃまにそう聞かれたので、しばし考えてみる。が、何も思いつかない。
「うーん、特に何もないはずですけど…」
「花見!去年、また来年やろうって言ってたのは誰だよ!」
「………あ」
そうだった。すっかり忘れていた。
だから、卒業式が終わってからお坊っちゃまが私を見ていたのか。私が気づくまで待っていたのだろう。初めから口で言ってくれればいいのに…。
「桜咲き始めてっから、近いうちに満開になるぞ」
「そうですね。でも、次の日曜日は休みじゃないんですよね」
「誰かと代わればいいだろ!」
「それはちょっと…。あ!この屋敷にも桜の木があるじゃないですか!そこでお花見しま…」
「ヤダ」
このワガママ坊っちゃまは💢あんなに立派な桜の木があるのに、何が嫌なのよ!
「お花見したいなら、ここの桜でもいいじゃないですか」
「ここでやったら、二人きりになれ…余計なヤツらが来るだろ!」
「余計なヤツら??」
何か言いかけてたけど、よく聞こえなかった。お坊っちゃま、たまに何か言いかけるんだけど、よく聞こえないのよね。もう少しハッキリ言ってくれたらいいのに。
「いてもいいじゃないですか。人数が沢山いた方が楽しいですよ!」
「絶対にヤダ」
うーん、お花見って皆で楽しむものだと思っていたんだけど、お坊っちゃまは違うみたいだな。二人だけでやるものじゃないんだけど。
「仕方ありません。急ですが、明日行きましょう」
「明日?」
「はい。私、休みなので。お坊っちゃまも春休みですし。食材も前回に比べると、用意が出来てないので、かなり少なくなりますけど、それでもいいなら…」
「それでいい!てか、買い物行くなら、今行けばいいじゃん。アガットもいるはずだし!車出してもらおうぜ!」
「え、ちょっと!お坊っちゃま!?」
腕を引かれ、アガットさんのいる場所に連れて行かれた。幸い、何もないから、車を出すのは構わないと連れて行ってくれることになって助かったけど。
お坊っちゃまは本当に言い出したらきかない。
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