Boy and Maid1




……………
…………
………
……


今日はクッキーを作った。オーブンから取り出して、焼き加減を見る。上手く焼けた。これならリク様に食べて欲しいくらいの出来ね!
ま、そんな機会ないんだけどね。それくらい自信作なわけだ。一つ味見がてらに口に入れる。熱い。…でも、おいしい!


クッキーを冷まそうと考えていたら、ふとジーっと見ている男の子がいた。いつからいたんだろうか。歳は10歳くらい?

すると、その子が私の作ったクッキーを取ろうとしたから、慌ててクッキーをその子に取られないように上に上げる。



「ちょっと!君。どこから入って来たの!?ちゃんと手は洗ったの!?」

「別にいいだろ!クッキーくれよ!」

「だめ!食べたければ手くらい洗いなさい!」

「ケチ!ちょっとくらいよこせよ!」

「ケチですって!?」


なんだ、この子供は!
というか、一体どこから入って来たの!?



「アリス、何して…」

「聞いてよ。この子、手も洗わずにお菓子を勝手に食べようとしたのよ!まったく…」


そこへ仲のいいメイド達が戻ってきた。

私が男の子のことに腹を立てていたら、何故か皆がその子に頭を下げる。



「申し訳ありません!ハルク様」

「この子は最近入って来たばかりなので、悪気はないんです!真面目が過ぎるだけで」

「アリスも早くハルク様に謝って!」

「え、この子に…?」

「その子はここのお坊っちゃまだよ!リク様の弟!」

「えぇ、お坊っちゃま!?こんな行儀が悪い子が…」


リク様の弟!?全然似てないし…。顔は確かに可愛いけど。その子をジッと見ていたら、睨んできた。



「なんだよ。行儀悪くて悪かったな!」


…やっぱり可愛くないんだけど。
男の子は怒って、部屋から出て行ってしまった。



「アリス、覚えてないの?」

「全然…」

「ほら、アリスはリク様以外にはまったく興味ないからね…」

「…そうだったわ。リク様命のおバカだった。失念してたわ」

「いいじゃない。リク様は私の憧れなんだから!」

「ここでリク様って言ってるのあんただけだからね…。リク様は確かに優しいけど、物足りないのよね。私はカルロ様がいい!」

「私もカルロ様!遊びでもいいから遊んで欲しい!」


皆して、カルロ様、カルロ様って…。
いいわよ!わかってくれなくても、私だけはリク様一筋なんだから!!



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今日はクッキーを作った。オーブンから取り出して、焼き加減を見る。上手く焼けた。これならリク様に食べて欲しいくらいの出来ね!
ま、そんな機会ないんだけどね。それくらい自信作なわけだ。一つ味見がてらに口に入れる。熱い。…でも、おいしい!


クッキーを冷まそうと考えていたら、ふとジーっと見ている男の子がいた。いつからいたんだろうか。歳は10歳くらい?

すると、その子が私の作ったクッキーを取ろうとしたから、慌ててクッキーをその子に取られないように上に上げる。



「ちょっと!君。どこから入って来たの!?ちゃんと手は洗ったの!?」

「別にいいだろ!クッキーくれよ!」

「だめ!食べたければ手くらい洗いなさい!」

「ケチ!ちょっとくらいよこせよ!」

「ケチですって!?」


なんだ、この子供は!
というか、一体どこから入って来たの!?



「アリス、何して…」

「聞いてよ。この子、手も洗わずにお菓子を勝手に食べようとしたのよ!まったく…」


そこへ仲のいいメイド達が戻ってきた。

私が男の子のことに腹を立てていたら、何故か皆がその子に頭を下げる。



「申し訳ありません!ハルク様」

「この子は最近入って来たばかりなので、悪気はないんです!真面目が過ぎるだけで」

「アリスも早くハルク様に謝って!」

「え、この子に…?」

「その子はここのお坊っちゃまだよ!リク様の弟!」

「えぇ、お坊っちゃま!?こんな行儀が悪い子が…」


リク様の弟!?全然似てないし…。顔は確かに可愛いけど。その子をジッと見ていたら、睨んできた。



「なんだよ。行儀悪くて悪かったな!」


…やっぱり可愛くないんだけど。
男の子は怒って、部屋から出て行ってしまった。



「アリス、覚えてないの?」

「全然…」

「ほら、アリスはリク様以外にはまったく興味ないからね…」

「…そうだったわ。リク様命のおバカだった。失念してたわ」

「いいじゃない。リク様は私の憧れなんだから!」

「ここでリク様って言ってるのあんただけだからね…。リク様は確かに優しいけど、物足りないのよね。私はカルロ様がいい!」

「私もカルロ様!遊びでもいいから遊んで欲しい!」


皆して、カルロ様、カルロ様って…。
いいわよ!わかってくれなくても、私だけはリク様一筋なんだから!!



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