Boy and Maid-Mini-(Ⅷ)
「アリスさん、大丈夫ですか?」
「はい。大丈夫です!」
「……」
「どうかしました?」
「いえ、何でもありません…」
彼はリクさん。
目を覚ました時からずっと傍にいてくれた人。何かしら心配してくれて、色々と声をかけてくれる。
毎日来てくれて、退院する日もリクさんは来てくれた。隣にいるのは、リクさんの執事のクロッカスさん。彼の方はあまり話さない。ただリクさんの近くにいて、控えているだけ。
彼の運転する車で帰宅することになった。こんな車に乗って帰れるなんて、家もすごいのでは?
「……すごい」
連れて行かれた先は、大きなお屋敷。すごい。ドラマで観るような外観だし。もう圧倒されて、言葉が出ない。車が停車し、クロッカスさんがドアを開けてくれた。
「ありがとうございます…」
礼を言って、車から降りると、誰かがこちらにやって来た。
「退院出来て良かったね。大丈夫?アリス」
「大丈夫です!えっと…」
名前がわからない。すると、隣にいたリクさんが「兄のカルロです」と教えてくれた。
芸能人みたいだな。リクさんも整った顔してるとは思ってたけど、この人もそう。
私、何故ここで働いてるんだろう?どうやって受かったのかな。
「ご兄弟はお二人だけですか?」
「いえ、他にあと4人、弟がいますね」
6人兄弟か。私は妹が一人いるだけだから、男の子しかいないと、どんな感じなんだろう。
「何だか楽しそうですね!」
「ただうるさいだけですよ」
「そうそう。俺としては一人くらい女の子がいて欲しかったよ」
「カルロさん、妹さんがいたら可愛がりそうですよね」
「え…」
何だろ?私、何か変なことでも言っちゃったかな。
「あの、私、何か変なことを言ってしまいましたか?」
「ううん。違うよ」
「それなら、良かったです」
「いつまでも玄関にいるのもなんですから、部屋にでも行きましょうか?案内しますね」
そう言って、リクさんに促され、私は歩き出した。カルロさんはこれから出かけるみたいで、その場で別れた。
中も外観に負けないくらいだった。すごいよ!ここ。私、本当に何故ここで働いてるの!?知り合いのコネなんてないし。
でも、サフィさんの家もこんな大きい家だったな。たまに遊びに行く時によく迷子になって、リゼルに呆れられたな。そういえば、リゼルも今年は中学生になるはずよね。しばらく会ってないけど、元気かしら。
「あ、アリスだ!」
「アリス!」
向こうから私の名前を呼びながら、駆け寄ってきた。これまた整った顔をした男の子達だ。一人は中学生くらいでもう一人は小学生くらいかな。
「アリスさん。こっちが四男のタスク、六男のドラージュです」
「もう平気なの?」
「はい。大丈夫ですよ!」
ドラージュ君の方が私にそう声をかけてきたから、目線を合わせて答えた。
「心配してくれてありがとうございます。優しいですね…」
「……そんなことないよ、オレ」
「アリスさん、行きましょう。怪我は治ってもまだ全快したわけじゃありませんから」
「わかりました。それじゃあ、失礼しますね」
二人に頭を下げて、リクさんの後を追った。
「あれ?誰…」
「アリスだろ」
「あんなのアリスじゃないよ。だって、あんなにリク兄に普通なんだよ。いつも顔を真っ赤にさせて、挙動不審だったのに…」
「ひでー言い方。でも、オレ達にはそれがアリスだったからな。でも、あのアリスと会ったら、ハルクは間違いなく…」
.
「はい。大丈夫です!」
「……」
「どうかしました?」
「いえ、何でもありません…」
彼はリクさん。
目を覚ました時からずっと傍にいてくれた人。何かしら心配してくれて、色々と声をかけてくれる。
毎日来てくれて、退院する日もリクさんは来てくれた。隣にいるのは、リクさんの執事のクロッカスさん。彼の方はあまり話さない。ただリクさんの近くにいて、控えているだけ。
彼の運転する車で帰宅することになった。こんな車に乗って帰れるなんて、家もすごいのでは?
「……すごい」
連れて行かれた先は、大きなお屋敷。すごい。ドラマで観るような外観だし。もう圧倒されて、言葉が出ない。車が停車し、クロッカスさんがドアを開けてくれた。
「ありがとうございます…」
礼を言って、車から降りると、誰かがこちらにやって来た。
「退院出来て良かったね。大丈夫?アリス」
「大丈夫です!えっと…」
名前がわからない。すると、隣にいたリクさんが「兄のカルロです」と教えてくれた。
芸能人みたいだな。リクさんも整った顔してるとは思ってたけど、この人もそう。
私、何故ここで働いてるんだろう?どうやって受かったのかな。
「ご兄弟はお二人だけですか?」
「いえ、他にあと4人、弟がいますね」
6人兄弟か。私は妹が一人いるだけだから、男の子しかいないと、どんな感じなんだろう。
「何だか楽しそうですね!」
「ただうるさいだけですよ」
「そうそう。俺としては一人くらい女の子がいて欲しかったよ」
「カルロさん、妹さんがいたら可愛がりそうですよね」
「え…」
何だろ?私、何か変なことでも言っちゃったかな。
「あの、私、何か変なことを言ってしまいましたか?」
「ううん。違うよ」
「それなら、良かったです」
「いつまでも玄関にいるのもなんですから、部屋にでも行きましょうか?案内しますね」
そう言って、リクさんに促され、私は歩き出した。カルロさんはこれから出かけるみたいで、その場で別れた。
中も外観に負けないくらいだった。すごいよ!ここ。私、本当に何故ここで働いてるの!?知り合いのコネなんてないし。
でも、サフィさんの家もこんな大きい家だったな。たまに遊びに行く時によく迷子になって、リゼルに呆れられたな。そういえば、リゼルも今年は中学生になるはずよね。しばらく会ってないけど、元気かしら。
「あ、アリスだ!」
「アリス!」
向こうから私の名前を呼びながら、駆け寄ってきた。これまた整った顔をした男の子達だ。一人は中学生くらいでもう一人は小学生くらいかな。
「アリスさん。こっちが四男のタスク、六男のドラージュです」
「もう平気なの?」
「はい。大丈夫ですよ!」
ドラージュ君の方が私にそう声をかけてきたから、目線を合わせて答えた。
「心配してくれてありがとうございます。優しいですね…」
「……そんなことないよ、オレ」
「アリスさん、行きましょう。怪我は治ってもまだ全快したわけじゃありませんから」
「わかりました。それじゃあ、失礼しますね」
二人に頭を下げて、リクさんの後を追った。
「あれ?誰…」
「アリスだろ」
「あんなのアリスじゃないよ。だって、あんなにリク兄に普通なんだよ。いつも顔を真っ赤にさせて、挙動不審だったのに…」
「ひでー言い方。でも、オレ達にはそれがアリスだったからな。でも、あのアリスと会ったら、ハルクは間違いなく…」
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