Boy and Maid-Mini-(Ⅰ)

「……」

「はあくん?どうしたの?」

「何でもねェ」


それからおみやげのコーナーに来た。
水族館にいる魚達などのグッズやぬいぐるみなどが沢山置かれていた。

そういえば、オレ、まだアリスに何も返してなかったな。遊園地に行ったおみやげにハリネズミのぬいぐるみをもらったんだよな。

てか、いくらオレにそっくりでもぬいぐるみを渡してくるって、完全にガキ扱いだよな…。


しっかし、何をあげよう。店内に置かれているものを見て回るが、選択肢が多すぎて決められない。わっかんねェ!何をあげれば喜んでくれるんだよ!





「はあくん、誰かにあげるの?」

「リコリス!?違っ…」

「ふふふ、だって、真剣に見てるんだもの。今までこういうところに来ても、全然見なかったじゃない?」


うっ。リコリスに指摘され、何も言えなかった。確かに今までのオレなら、素通りしてたな。こうなったら、リコリスに聞いてみるかな。



「ハリネズミのぬいぐるみをもらったから、何か返したいんだよ」

「その相手は女の人?」

「え…!?」


何でわかんの?
オレの反応にリコリスがクスクスと笑った。



「はあくん、男の人だったら、そんなに悩まないじゃない?アガットさんに誕生日プレゼントを買う時も即決だったし」

「……」


アガットはどんなプレゼントでも喜んでくれるから。一応、普段とかでも使えるものを渡してるし。
でも、アリスの場合は何を渡していいかがわからない。



「ペアでつけられるものにしてみたら?」

「ペア?」

「そう。ほら、このイルカのストラップとかお揃いでつけられるし」


リコリスが手に取ったのは、ブルーとピンクのイルカのストラップ。オレがブルーで、アイツがピンクのを持てば、お揃いでつけられる。



「他にもペアじゃなくても、イニシャルが入ったキーホルダーでもいいんじゃない?これとか」


そう言って、リコリスが取った二つのイルカのキーホルダーは、それぞれHとAが入っていた。



「え、何でわかんの!?アイツのイニシャル」

「タスクから聞いてるもの。“アリス”さんっていうんでしょ?」

「うん…」

「タスクが家に来る度に話してくれるのよ。はあくんの話を」


オレの話を好き勝手にペラペラとリコリスに話してんだろうな。話して欲しくないようなことまで。



「はあくん、雰囲気が変わったし」

「え?」

「悪い方じゃないの。良い方に変わったわ。だって、前はそんな風に笑わなかったじゃない?」


そうか?自分じゃ全然わからねェし。



「きっとその人が来てから、タスクも家でも楽しそうに出来るようになったと思うの。前まではあくん以外の話なんて全然しなかったのよ?今でははあくん以外の兄弟の方達の話もするようになって、毎日が楽しそうなの。私はそれが嬉しいわ」

「そうなんだ」


タスク兄はそんなことねェって思ってた。でも、リコリスはその変化に気づいてたのか。



「オレ、決めた。これにする」


そう言って、オレが手に取ったのは、イニシャルが入ったイルカのキーホルダー。すると、リコリスが嬉しそうに笑った。



「ありがと、リコリス…」

「ふふ、お役に立てて良かったわ」


アリス、喜んでくれるかな。早くこれを渡してェ。





【続】「……」

「はあくん?どうしたの?」

「何でもねェ」


それからおみやげのコーナーに来た。
水族館にいる魚達などのグッズやぬいぐるみなどが沢山置かれていた。

そういえば、オレ、まだアリスに何も返してなかったな。遊園地に行ったおみやげにハリネズミのぬいぐるみをもらったんだよな。

てか、いくらオレにそっくりでもぬいぐるみを渡してくるって、完全にガキ扱いだよな…。


しっかし、何をあげよう。店内に置かれているものを見て回るが、選択肢が多すぎて決められない。わっかんねェ!何をあげれば喜んでくれるんだよ!





「はあくん、誰かにあげるの?」

「リコリス!?違っ…」

「ふふふ、だって、真剣に見てるんだもの。今までこういうところに来ても、全然見なかったじゃない?」


うっ。リコリスに指摘され、何も言えなかった。確かに今までのオレなら、素通りしてたな。こうなったら、リコリスに聞いてみるかな。



「ハリネズミのぬいぐるみをもらったから、何か返したいんだよ」

「その相手は女の人?」

「え…!?」


何でわかんの?
オレの反応にリコリスがクスクスと笑った。



「はあくん、男の人だったら、そんなに悩まないじゃない?アガットさんに誕生日プレゼントを買う時も即決だったし」

「……」


アガットはどんなプレゼントでも喜んでくれるから。一応、普段とかでも使えるものを渡してるし。
でも、アリスの場合は何を渡していいかがわからない。



「ペアでつけられるものにしてみたら?」

「ペア?」

「そう。ほら、このイルカのストラップとかお揃いでつけられるし」


リコリスが手に取ったのは、ブルーとピンクのイルカのストラップ。オレがブルーで、アイツがピンクのを持てば、お揃いでつけられる。



「他にもペアじゃなくても、イニシャルが入ったキーホルダーでもいいんじゃない?これとか」


そう言って、リコリスが取った二つのイルカのキーホルダーは、それぞれHとAが入っていた。



「え、何でわかんの!?アイツのイニシャル」

「タスクから聞いてるもの。“アリス”さんっていうんでしょ?」

「うん…」

「タスクが家に来る度に話してくれるのよ。はあくんの話を」


オレの話を好き勝手にペラペラとリコリスに話してんだろうな。話して欲しくないようなことまで。



「はあくん、雰囲気が変わったし」

「え?」

「悪い方じゃないの。良い方に変わったわ。だって、前はそんな風に笑わなかったじゃない?」


そうか?自分じゃ全然わからねェし。



「きっとその人が来てから、タスクも家でも楽しそうに出来るようになったと思うの。前まではあくん以外の話なんて全然しなかったのよ?今でははあくん以外の兄弟の方達の話もするようになって、毎日が楽しそうなの。私はそれが嬉しいわ」

「そうなんだ」


タスク兄はそんなことねェって思ってた。でも、リコリスはその変化に気づいてたのか。



「オレ、決めた。これにする」


そう言って、オレが手に取ったのは、イニシャルが入ったイルカのキーホルダー。すると、リコリスが嬉しそうに笑った。



「ありがと、リコリス…」

「ふふ、お役に立てて良かったわ」


アリス、喜んでくれるかな。早くこれを渡してェ。





【続】
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