Boy and Maid4
それからカルロとハルクと別れ、最後にボルドーのところに行こうとした時、アガットと出くわした。
「お久しぶりです。セレストさん」
「アガット。お前は相変わらずガキっぽいな」
「ガキっぽい?俺、今年で21ですよ…」
「え、じゃあ、うちの息子とカルロと同い年か?見えねーな!」
「言わないでくださいよ。俺、酒買うと必ず身分証を見せてくださいって言われるんですから」
うちの息子はともかく、カルロと並ぶと同じ歳には見えないな。
ま、こいつも普段は幼く見えるが、裏の仕事では相当な数の仕事をこなしているからな。執事の中では一番強いし。あのアメジストが褒めていたからな。
「酒が飲めるようになったか。そのうち一緒に飲むか?」
「はい!」
アガットが笑顔で返事した。
こいつも少し雰囲気が変わったな。
「ボルドー」
「セレスト。もういいのか?」
「ああ。久し振りにアメジストの息子達と数人と会ったが、皆明るくなったな」
「そうだな。以前よりは明るくなった。最近は兄弟全員で、談話室に集まるようになったくらいだからな」
「そんなに仲良くなったのか?」
「カルロ様やライ様はあまり家にいなかった時期があったが今は家にいることが増えた。リク様やドラ様も前に比べると部屋から出るようになったし。ハルク様も大分落ちついた」
「それはラピスに似た女の子の影響か?」
そう告げると、ボルドーは黙り、息を吐く。俺を見ながら、聞いてくる。
「あの子に会ったのか?」
「直接は話してないぞ。リクと一緒にいるところを見てな。昔を思い出した」
「僕も最初見た時は驚いた。彼女にそっくりだったからな。中身は少し違うが」
「そうなのか?」
「ああ。彼女とは少し違う。あの子は真面目な子だ。たまに要領が悪いが、悪い子ではない」
「褒めてんだか、貶してんだかわかんないな」
ボルドーの場合は褒めてはいるんだろう。こいつ、どうでもいい相手には怒らないからな。変わった愛情表現だよな。
このままいい方向に進めばいい。あいつらのためにも。
【END】
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