Boy and Maid1




私はこのお屋敷で働いているメイド。ここで働き始めて、ようやく二ヶ月が経ったところだ。

このお屋敷で働く理由は、憧れのリク様がいるからである!ここで働けるだけでも奇跡なのに、たまにリク様から声もかけられて、私は幸せだ!
この話を一緒に働いているメイド仲間達にすれば、呆れられるけど。何でわかってくれないのよ。リク様、かっこいいじゃない。何度力説しても、皆が「はいはい。リク様もかっこいいわねー」と棒読みで返してくる。

皆は次男のリク様よりも、長男のカルロ様に夢中なのは知ってはいるけど!あの色気たれ流し男に…。どこがいいか、全然理解が出来ない。


リク様の方が全然いいわよ。真面目だし、優しいし、誰も気づかなかったところまで見て、心配して声をかけてくれたのは彼だけだ。

たとえ声をかけられなくても、遠くから彼の姿さえ見られれば、それだけで私はいい。リク様と恋仲になりたいと願っているわけじゃない。リク様に釣り合う身分ではないし。


この世界は身分差によって、決まるのだから。



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