Pumpkin with holes
街中が子供達で賑わっていた。
その中をドラージュが駆け抜けていく。
その顔は無邪気な子供、そのものだった。
「アリス、見っけ!」
「ド、ドラ?……何?」
鋭く手を差し出すドラージュにアリスは戸惑う。
しかしドラージュは催促するかのように何度も繰り返し、彼女を追い詰める。
━━アリスの背中が壁に当たる。
「いや……」
「“いや”じゃねーだろ」
「何す━━」
ドラージュの手がアリスに触れようとした。
「やめとけよ。それ以上は許さねェ」
アリスとドラージュが見上げると、塀の上にハルクがいた。
「ははっ……上等だぜ!」
「んなっ!」
「距離感、考えてねーのな! ははっ」
ドラージュはアリスを抱き締め、何かを探すようにアリスに触れる。
〈Pumpkin with holes〉
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