Incense of gentle wind




「Arice・Dollに対抗できる力?……僕にはそんな力は無い」
「嘘つけ! ラセンから聞いたんだ。お前は──」
「無くはないが……」
「頼む、教えてくれ!お前しか頼れねェんだ」


Arice・Dollを前に無力だったオレは、セツナを訪ねた。
何でもいい、ヤツに立ち向かえる力が欲しい──

「貸しか?」
「か……貸しだ」
「ハルク。僕にソレを作る意味は分かってるよな?」
「承知で頼んでるんだよ」
「それはアリスの為か?」
「違うね。Arice・Dollにやる“心ーイノチー”が無いってこった」
「……まぁ、いいさ」
「恩にきる」
「貸しだからな」
「分かってるつの」


それから地獄の特訓が始まると思いきや……










〈Incense of gentle wind〉











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