Dripping of flower(ドラージュStory )
何で、ボクは“女”として生まれてこなかったんだ──?
ティーデを見るだけで腸が煮えくりかえる。
ボクが“女”だったら、パパともっと近付けたのに。
遠慮なんか、周りの目なんか気にしないで甘えられるのに……覚醒した時に思った。
──女になりてぇな──
そんな事を考えていると、男が女になるのが目に入った。
“女装”いうらしい。
「コレだ!」思って、ソイツから半脅し的にやり方を聞いた。
「これが……ボク?」
自分で言うのも変だけど、似合うって思ってしまった。
女物の服、下着さえもボクの為にあるんじゃねぇの?ってくらいに似合ってるって。
「なぁ、ボク……可愛いかな?これでパパに──」
「知るかよ! 俺はもう帰る!」
可愛いだとか、似合っている、女みたい……歩いても誰一人と言ってはくれなかった。
なんていうか……目を逸らしたり、あからさまだっての。
正直、傷つく。
でも、パパは……パパだけは違うよな──?
「誰かと思ったら、ドラか」
「ティーデ」
「なぁに、それ。まさかそれで女になったつもり?」
「……悪いかよ」
「別に悪くはない。気持ち悪くって、前よりドラには似合ってる」
「何だよ、それ!」
「やだ……可愛いなんて思ってたの?」
当たりだよ、悪いかよ。
今にも溢れそうな涙を堪えてティーデに背中を見せる。
悔しいけど、この場を立ち去ることしか出来なかった。
「……ただの自己満足ってやつかよ、ちっくしょ」
ボクはただ、パパに──!
「いいんじゃない?」
「え? 」
「銀色の長い髪を一つにまとめたんダ」
「パパ……」
「誰がやってくれたノ?」
「……」
「話してくれないんだ、ドラは」
「え、あ……ボクが考えたんだ!下でまとめるより上にあげた方がらしいってか──」
嬉しくって、嬉しくてどうでもいい事ばかり話してた。
こんなにパパと話したの初めてじゃないかってくらいに……たくさん話したと思う。
ボクの話が終わるとパパは「似合ってる」って言ってボクを優しく抱きしめてくれた。
Dripping of flower-花の雫-END
ティーデを見るだけで腸が煮えくりかえる。
ボクが“女”だったら、パパともっと近付けたのに。
遠慮なんか、周りの目なんか気にしないで甘えられるのに……覚醒した時に思った。
──女になりてぇな──
そんな事を考えていると、男が女になるのが目に入った。
“女装”いうらしい。
「コレだ!」思って、ソイツから半脅し的にやり方を聞いた。
「これが……ボク?」
自分で言うのも変だけど、似合うって思ってしまった。
女物の服、下着さえもボクの為にあるんじゃねぇの?ってくらいに似合ってるって。
「なぁ、ボク……可愛いかな?これでパパに──」
「知るかよ! 俺はもう帰る!」
可愛いだとか、似合っている、女みたい……歩いても誰一人と言ってはくれなかった。
なんていうか……目を逸らしたり、あからさまだっての。
正直、傷つく。
でも、パパは……パパだけは違うよな──?
「誰かと思ったら、ドラか」
「ティーデ」
「なぁに、それ。まさかそれで女になったつもり?」
「……悪いかよ」
「別に悪くはない。気持ち悪くって、前よりドラには似合ってる」
「何だよ、それ!」
「やだ……可愛いなんて思ってたの?」
当たりだよ、悪いかよ。
今にも溢れそうな涙を堪えてティーデに背中を見せる。
悔しいけど、この場を立ち去ることしか出来なかった。
「……ただの自己満足ってやつかよ、ちっくしょ」
ボクはただ、パパに──!
「いいんじゃない?」
「え? 」
「銀色の長い髪を一つにまとめたんダ」
「パパ……」
「誰がやってくれたノ?」
「……」
「話してくれないんだ、ドラは」
「え、あ……ボクが考えたんだ!下でまとめるより上にあげた方がらしいってか──」
嬉しくって、嬉しくてどうでもいい事ばかり話してた。
こんなにパパと話したの初めてじゃないかってくらいに……たくさん話したと思う。
ボクの話が終わるとパパは「似合ってる」って言ってボクを優しく抱きしめてくれた。
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