Pandoras box(セツナStory )

妹に好意を持っていると気付いてしまった。
いや、違うな。
僕は気付いていた。
気付いていたからこそ封印してたんだ──

封印の蓋は二度は閉じない。
もう、隠すことが出来なくなってしまった。

どうラセンに接すればいい──?
どういう顔で会えばいい?
彼女を脳裏に浮かべるだけでこんなにも体が熱を帯びる……

「一体、どうすれば……」

分からず、無我夢中で走った。
崩して言えば、逃げたんだ。

「はぁ……はぁ……」

立ち止まってしまえば、彼女が僕の中に現れてしまう。
打ち消す為にひたすら走る。

そして辿り着いた先が──

「何だ、この威圧感は……」

体中が恐怖する力を感じる。
その扉に手を伸ばす──

「力が欲しい……」

それがクロノとゲッカの住む館だった。

そう、僕は彼女を護る為に……再び思いを封印する為に──
力を求める。



Pandoras box-パンドラの箱-END
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