Crimson flower(タスクStory )
今日はリコリスの誕生日。
愛しすぎる彼女の為にオレっちが出来る事、全てを注ぐ。
「な、先ずは何がいい?……はは、機嫌悪い……か」
返事は帰って来ないって分かってるけど聞く。
彼女はまた、壊れてしまった。
でも、大丈夫だよ。
すぐにArice・Dollが直してくれっから。
──ホントはさスゲェ悔しいよ。
何でオレっちが直せないんだ! って。
こんなにも愛してんだぜ?
それなのに、何も出来ないって何だよ。
何でよりによって、アイツなんだよ!
取り乱してテーブルを思いきり叩く。
固まりかけていた小麦粉が宙を舞ってボトリと床に落ちた。
「ゴメンね、作り直すから」
一点を見つめているだけのリコリス。
都合良くオレっちを見てるって解釈。
辛いけど、他の誰かを見てるなんて思いたくねェし。
「次、何だっけ……あ~ぁ、ちゃんとアリスの説明聞いときゃ良かった」
懸命に頭を回転させる。
「オーブンだっけ?……失敗しても怒んなよな」
リコリスが本気で怒ってるのなんか見た事ねェし、今の彼女こそ無理だって分かってんのにな。
馬鹿だな、オレっち。
「出来たよ、味の保証はないんだけどね」
慣れない手つきで本を見ながら料理をこなす。
きっと、ほとんど不味いんだぜ?
それから部屋の飾り付け。
Arice・Doll達が近くにいるとは思えないくらいにオレっちとリコリスの二人の世界だ。
よし、完璧だな。
「プレゼント。ったく、返事くらいしろよな。ドレスだよん……絶対似合うと思うんだけど、着てくれるよな?」
分かってるよ、分かってんだよ!
けど、受け取ってさえくれねェって……相当こたえる。
「いいよ。返事してくれないんならオレっちが勝手に着せる」
白い肌に透明な雫が流れていく。
それは止まる事を知らない。
「……れよ……止まれ!」
折角のドレスが駄目になる──
オレっちの涙が総てを駄目にする気がした。
Crimson flower-深紅の華-END
愛しすぎる彼女の為にオレっちが出来る事、全てを注ぐ。
「な、先ずは何がいい?……はは、機嫌悪い……か」
返事は帰って来ないって分かってるけど聞く。
彼女はまた、壊れてしまった。
でも、大丈夫だよ。
すぐにArice・Dollが直してくれっから。
──ホントはさスゲェ悔しいよ。
何でオレっちが直せないんだ! って。
こんなにも愛してんだぜ?
それなのに、何も出来ないって何だよ。
何でよりによって、アイツなんだよ!
取り乱してテーブルを思いきり叩く。
固まりかけていた小麦粉が宙を舞ってボトリと床に落ちた。
「ゴメンね、作り直すから」
一点を見つめているだけのリコリス。
都合良くオレっちを見てるって解釈。
辛いけど、他の誰かを見てるなんて思いたくねェし。
「次、何だっけ……あ~ぁ、ちゃんとアリスの説明聞いときゃ良かった」
懸命に頭を回転させる。
「オーブンだっけ?……失敗しても怒んなよな」
リコリスが本気で怒ってるのなんか見た事ねェし、今の彼女こそ無理だって分かってんのにな。
馬鹿だな、オレっち。
「出来たよ、味の保証はないんだけどね」
慣れない手つきで本を見ながら料理をこなす。
きっと、ほとんど不味いんだぜ?
それから部屋の飾り付け。
Arice・Doll達が近くにいるとは思えないくらいにオレっちとリコリスの二人の世界だ。
よし、完璧だな。
「プレゼント。ったく、返事くらいしろよな。ドレスだよん……絶対似合うと思うんだけど、着てくれるよな?」
分かってるよ、分かってんだよ!
けど、受け取ってさえくれねェって……相当こたえる。
「いいよ。返事してくれないんならオレっちが勝手に着せる」
白い肌に透明な雫が流れていく。
それは止まる事を知らない。
「……れよ……止まれ!」
折角のドレスが駄目になる──
オレっちの涙が総てを駄目にする気がした。
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