World where the eyes of the heart reflect it




ある夜。

眠れなかったオレっちは、隣で眠るリコリスを起こさないように部屋を抜け出した。


廊下を歩いていると、テラスのところにヤツが一人でいるのに気づく。

どうやら空を見ているみたいだった。


アイツでも星を見ることもあんだなーと思っていたら、急に振り返る。

オレっちに気づくと、穏やかに笑う。



少し…いや、かなり様子がおかしい。

ヤツは、あんな風に笑わない。

バカにしたような笑みや見下したような笑みしか見たことねぇーし。


再び目が合うと、瞳の色が違うことにようやく気づいた。

それは、血のような赤ではなく、紫だった───。











〈World where the eyes of the heart reflect it〉











.
1/2ページ
スキ