Moon where is monochromatic at sacred night
今年も私が作った、Xmasケーキがテーブルに並んだ。
けど、辛くて寂しくて……苦しい。
タスクさんの事。
セツナの事。
それから、ハルクの──
「何て顔、してんだよ」
「ハルクは……辛くないの?」
「そんなワケないでしょ! アリスの無神経!」
ハルクの代わりにラセンが答えた。
「ゴメン──」
「謝んな。余計、凹む」
……会話が持たない。
それがまた辛い。
明るい話をすればいい?
……けど、とてもじゃないけど笑える気がしない。
「ねぇ、外に出ない?」
「そう……だな。アリスも──」
「二人で行こ、ハルク」
そう言って、ラセンはハルクの腕を引っ張って出て行ってしまう。
私は一人、取り残された。
「……ケーキ。誰も手をつけてない……」
溢れ出そうな涙を堪えてケーキを一口、食べた。
凄く冷たくて、しょっぱく感じる……
感情が高ぶり、私は声を出して泣いた。
〈Moon where is monochromatic at sacred night〉
.
1/2ページ