Moon where is monochromatic at sacred night




今年も私が作った、Xmasケーキがテーブルに並んだ。
けど、辛くて寂しくて……苦しい。

タスクさんの事。
セツナの事。
それから、ハルクの──


「何て顔、してんだよ」
「ハルクは……辛くないの?」
「そんなワケないでしょ! アリスの無神経!」


ハルクの代わりにラセンが答えた。


「ゴメン──」
「謝んな。余計、凹む」


……会話が持たない。
それがまた辛い。

明るい話をすればいい?
……けど、とてもじゃないけど笑える気がしない。


「ねぇ、外に出ない?」
「そう……だな。アリスも──」
「二人で行こ、ハルク」


そう言って、ラセンはハルクの腕を引っ張って出て行ってしまう。
私は一人、取り残された。


「……ケーキ。誰も手をつけてない……」


溢れ出そうな涙を堪えてケーキを一口、食べた。
凄く冷たくて、しょっぱく感じる……
感情が高ぶり、私は声を出して泣いた。











〈Moon where is monochromatic at sacred night〉











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