「クソ……っ」


苛立って壁を殴る。

原因はアリスだ。
冷静に考えれば分かる事だった。
それなのに、オレは──


「何の用だよ」
「ハルク、私──」


抱き付いてきたアリスを思わず、抱き締め返す。


「な、何だよ」


動揺を見せた瞬間、アリスはオレを押し倒した──……と思う。
倒れた、とは言えねェ……











〈Heart of the falling into enemy hands〉











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