Light snow
「ハルクの恋人?」
「勘違いすんな。フリだっての」
「フリも何もハルクにはラセンが──」
「オレに口答えすんのか?」
と、ハルクは私のあごを人差し指で持ち上げる。
「あ、あの……」
「ラセンに断られたんだよ」
え……二番目?
どうして私、ショックを受けているんだろう……
「だから、今日はお前がオレの女だ。いいな?」
「ちょ──」
「コレ、着ろよ」
そう言って、渡されたのは大きいリボンの付いた白いドレスだった。
……ラセンが断った理由が分かるかも。
「ラセンに合わせて作られてっけど、入る……いや、デカいか?」
ハルクは、言いながら私の胸元を見た。
「ど、何処見て――」
「安心しろ。興味ねェ」
……何か悔しい……
ラセンの代わりだから?
――違う気がする。
〈Light snow〉
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