Second Tart
アリスが風邪でダウンした。
邪悪なものは感じねェ。
つまりだ、寝とけば治る。
「何やってんだよ、アリス!」
それなのに、この女……
台所に立ってやがる。
「私が何をしようと、ハルクには関係ないでしょ」
「へェ……そんなら、力ずくで寝かすまでだ」
「きゃあ──」
アリスを肩に担ぐ。
コイツ……こんなに軽くて大丈夫なのか?
「やだ!離してよ!」
「暴れんな」
「ハルクってば、アリスを何処に攫ってくんだ?」
「誤解しないで下さい、タスクさん」
「普通するっしょ。青春真っ盛りな男が……怪しい!」
「コイツ、風邪引いて──」
「口実には十分だ」
「聞いて下さ──」
「タスクさん、助けて下さい!」
アリスがオレの言葉を遮った。
「オッケーだよんっ!オレっち、正義の味方だしね」
「ちょ、待っ……」
「や~だね!」
と、鳩尾にタスクさんの蹴りが入った。
「うがぁ──」
しかも手加減無し──……
〈Second Tart〉
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