First enthusiast
男なんてバカ。
バカだから、私もバカをやるの。
気づけば、周りに男の子に囲まれ、ちやほやされてた。
バカバカしいと思いながら、そんな日々に飽き飽きしていた時、あなたと出会った…。
覚えてる?
─────リク。
あの頃から私を囲んでいた色んな男と付き合ってた。
とっかえひっかえを繰り返していたら、当然、罰は来た。
「きゃっ!」
遊んでた男達の一人にいきなり腕を掴まれ、中庭に連れてこられた。
相手を見て、顔は覚えていたけど、名前は知らない。
更に彼は怒っていた。
「お前、何で俺がいるのに他の男と出かけるんだよ!」
それを聞いて、私はまたかと思った。
私が気まぐれで声をかけ、少し優しくしただけで女の子に慣れてない男は勘違いしてしまう。
それはよくあったことだから、私はため息をつく。
「あんたとだけ付き合うとは言ってないわよ、私」
「んだと!?」
相手が私を殴ろうと手を上げる。
私は目を閉じ、痛みを待つ。
しかし、痛みはなかなか来ない。
〈First enthusiastー初めての好きー〉
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