Magic for One Day
「姉さん、誕生日おめでとう」
「ありがとう、リク」
リクは何故か、浮かない顔をしている。
体調でも悪いのかな?
「……あの、さ。プレゼント、用意できてなくて」
「え? プレゼント? そんなのいいよ! それに姉弟なんだから」
そもそも、リクに“おめでとう”って祝ってもらえただけで幸せだし!
それだけで十分、幸せなんだけど。
「僕、この前貰ったのに……」
「本当に気にしないで──」
「だから、姉さんのお願いを一日だけ何でも聞くよ!」
「え……何でも?」
「うん、何でもいいよ」
そう言って、リクは笑った。
もう、これだけで十分なのに……
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