Yodaka




ヤって、殺って……やりまくる。
それが、おれ。

メアやあいつに暫くの間、禁止令出されてたせいだな。
解除と共に狂ったようにヤって、殺りまくった。
男も女も関係なし。
目が合っただけ、身体が反応した、指先が触れた、声が耳に入った……キッカケはどーでもいいくらい、適当なモノだった。

1日で何人?
何十人? 下手すりゃ、何百……
そりゃ、10日経てばヘバるよな。


「……っはぁ……はぁ……」


荒ぶる息に身体を弄ばれる。
抵抗はしねー。
それなりにイイし。
てか、男か。

コイツ……分かってんのかしんねーけど、キスはしてこねーのな。
ま、されたら即死確定だけど。

……って、最後までヤんのかよ。
だりーな。

あくまでおれは、寝てるやつ。
ヤるだけヤって飽きたら去ると思ってたけど、そいつはなんと──


──ザク──!

おれの胸にナイフを突き刺した。

それでおれは、察した。
誰かの復讐かなんか、だって。
ま、どーでもいっか。


「……っ……はは…………やった…………殺ってやったぞ!」
「あのさー」
「…………え?」
「殺るなら、死ぬ気で殺れよ」


おれの言葉にそいつは、化物でも見てるような顔をした。

はは、胸にナイフが突き刺さったまんまだから?


「寝てるとこ、襲って満足したら心臓一突き? いや、違うか。浅すぎだし。血も出てねーだろ?」
「……なッ!」
「漫画? テレビ? つまんねーよ」


身を翻し、相手を逆に押し倒す。


「おれなら、さ……」
「な、何だよ……っ……」
「ヤりながら、殺ったりもすんだけど?」


ざくざく爪を立てた指で肉を抉るように刺し……
身体を繋げながら、ナイフで心臓を抉り出す。


「あー……生きてんのな」


手の中で波打つ心臓。
本体はもう動かねーのに。


「ヤりたんねーし」


手の中のソレを握り潰し、服を羽織り……おれは獲物を狩りに行く。





〈Yodaka-夜鷹-〉



END.
(2024.01.16)
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