Darkness




遊び過ぎだってよ。
あの人に注意された。
仕置きされねーのはおれの体質のせいだよな。
期待してたのに。

てか……告げ口したの、メアだな。
あいつもおれも懲りねーの。


「ライ、騒ぎばかり起こすんじゃねぇ」
「うるせーな、ロゼリア。あ、おれとヤる?」


言葉を言い終わると同時に、全身血まみれ傷だらけ。
“普通”なら瀕死か終了だな。


「はは……冗談通じねー」


おれ、ぶっ倒れてもロゼリアには関係ねーんだよな。
動けねーのに放置プレイかよ。


「派手にやられてる、ざまぁみろだね」
「メアか。おまえ、おれとヤる?」
「どの口がきいてるの?」


メアが傷口を抉るように踏みつける。


「そういうのやめろよ……ヤりたくなんだろ」


こいつも急所突いてきやがるし。


「なんだ……元気じゃない」
「流石に動けねーけどな」
「この際、替えてもらえばいいじゃない」
「いや、だね。おれじゃなくなる」


おれは今のおれが一番、気に入ってんだよね。


「はぁ……仕置きされねーのは一番効く……」


“初めて”仕置きされた日を思い出す。
流石にアレは……ねーけど、今思えば最高だったな。
……あの人を好きになって、嫌いになった。


「……さてと」


多少、動けるようになった身体を起こす。


「ちょ、また騒ぎ起こすつもり?」
「さぁな。相手次第。おれに惚れたら殺っちまうだろな」
「……惚れないやついた?」
「…………覚えてねーな」


女も男も夢中にさせられんだよね、おれ。
今もほら、どんどん餓えてくんだ……

さっき、ロゼリアをヤればよかったか?
……いや、あいつは一歩間違えたらやべーしな。

メアは?
……妹を食っても満足しねーよな。
……“あの人”は……?


「ははっ……今日は大人しく仕置きくらうか」


嫌がるだろな。
餓えたおれの相手すんの。
下手したら、殺られるかもな。
けど、ま……おれは利用価値あるからな。


「……変態」


メアは最後に最高の褒め言葉を呟いた。





〈Darkness-闇-〉



END.
(2023.09.17)
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