青空に続く橋
「明日は……雨です」
「こんなに晴れているのに?」
空の流れも緩やかで、風も頬を撫でていく。
「はい……雨です」
彼はそう言ったけど、私には雨が降るなんて信じられなかった。
「明日が答えを教えてくれる……じゃあ、また明日」
彼が頷いたのを確かめて、私は彼に背中を向ける。
明日は晴れる……私の心はこんなにも清々しい――
案の定、次の日は晴れた。
「天気予報士、失格だね」なんて冗談で笑顔を見せ合おうって思っていたのに……
雨が降った。
私の瞳から大粒の雨――
止むことを知らない雨……
「嘘……だよね?」
“また”が終わりを告げる鐘を鳴らす。
彼は空へと旅立ってしまった。
最初から心のどこかで分かっていた事なのに、認めたくなくて……
目を覚まさない彼を見て、現実へと引き戻された。
「約束、したじゃない……」
“また”は再会の言葉。
また──
再び……Again……再び会いましょう
あげいん……
“あ……あなたに
げ……元気で
い……いつも会いたい
ん……最期の日まで”
(※“ん”で言葉の終わりはあっても寂しい事に、言葉の始まりはない──)
涙が枯れた時、夕日が私を照らす。
夕日は私と彼を一本の光の道で照らしていた。
「あ……」
ハッとして目を閉じる。
今は無理でも
“また”……Next world(来世)でなら──
言葉と同じ、場所を……約束を変えればいい。
“また、会いたい”から──
遠いけど、信じたい。
Again→Next world
続く約束を──……
私は「また」と告げて彼に背を向けた。
青空に続く橋....END....
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