深海(うみのそこ)のマンドーラ

「バイバイ、あかね」


そう言って、ママがあたしをイヅ湖に突き落とした。


「やだ……助けて……ママ──」


青い空に、アブラ蝉が鳴きながら飛んでいく。
私の叫びも虚しく掻きけされた。

最後に見たのは、ママが“パパ”と走って行く姿だった。



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