Love
クレアのことがずっと気になっていた。
“恋”だと思っていたけれど、それは違ったみたいだ。
「コルク、今日はパトリックス城で林檎飴祭があるんだって」
「よし、今すぐに行こう」
「でも……予定があるんじゃ……」
「キャンセル。林檎飴よりも大事な用などない!」
それはクレアがコルクといるのをよく見るようになってから、気付いたこと。
「予定優先」
「オペラ、予定はキャンセルと──」
「顔を出したら、行ってもいい。あとは僕が何とかするから」
「ありがとう、オペラ!」
クレアが僕の腕に抱き付く。
彼女の頭をそっと撫でる。
そう、この位置がちょうどいい。
「その代わり、夜には戻ってきて。社交パーティの予定が入ってる」
「ダルいな、それは」
「そう言うなって。林檎飴の準備もしておくから」
「流石はオペラ!」
そう言って、今度はコルクが僕の腕に抱き付いた。
やはり僕は彼の頭をそっと撫でる。
“妹”と“弟”だな。
クレアへの感情は昔から、きっと同じ──
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