Eternal Flower




「人生とは……解らんものだな、クレア」
「本当に」


私達が不在の“あの日”に二人は恋におちたらしい。
それから1ヶ月で結婚だもんなぁ。

──教会の鐘が鳴り響き、ローレンとルズが並んで入って来る。

二人とも、とても幸せそう。

式のフィナーレ。
クッキーを掲げ、1つを食べた。
もう1つは──


「クレア」
「オペラ?」
「……メルト、見なかった?」
「きっと、控え室だよ。お色直しの準備かな」
「……そっか」
「オペラ、遠慮はいらないぞ」


オペラの背中を押したのは、コルクだった。


「クレア、俺も遠慮しない」
「え?」


コルクは私の手にあったクッキーをパクッと食べた。

“もう1つは、特別な感情を持つものに──”


「……コルク?」
「あの二人を見ていたら、俺も味わってみたいと思った」


その言葉に胸が波打った。
ドキドキと心臓がうるさくなる……


「先ずは林檎飴友達から、よろしくな」
「……何それ」
「あ、そうか。もうそれは経験してたな。なら、友達以上でよろしく」
「もっとよく分からな──」


私の言葉は、彼の持っていたクッキーに邪魔された。


「ルズ達の“運命”経験してみないか?……悪くはないと思うぞ?」


いつもドキドキさせられっぱなしで……
コルクは私に知らない世界をたくさん見せてくれた。
そんな彼と──

でも、ローレン達みたいな急展開は心臓が持たなそう。


「…………よろしくお願いします」





END.
(2024.05.12)
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