Eternal Flower
「ローレン! 買ってきたよ」
「ありがとう!」
花嫁衣装に身を包むローレンの姿があった。
「わぁ……ローレン、すごく素敵!」
その後ろには彼女の身なりを整えている、メルトの姿が。
メルトもポスタリカに来た。
あの後、ディオス様は亡くなった。
城内は荒れたが、コルクがそれを収めた。
一部ヤジを飛ばすものもいたと聞いたけど、最後はそのもの達も納得したらしい。
コルクに何があったか聞いたら、“林檎飴”とだけ言った。
……なんか、納得かも。
そして、このポスタリカでは“人質”はいなくなった。
もう必要なくなったから。
“人質”から、コルクの“友達”に変わった。
「ディオスとは大違いね」
「もう、メルトってば」
こうしてメルトとまた笑える日が来るなんて思わなかった。
「そういえば、どうしてこんなにたくさんのクッキーが必要なの?」
「このポスタリカでは、お祝いにみんなでクッキーを食べるの。1枚は自分が、もう1枚は──」
「素敵な風習だね」
これは、コルクの案なんだとか。
ブーケは綺麗に咲く花を切り落としてしまうから可哀想だからって、自分の好きな食べ物に変えたらしい。
「本当に助かったよ、クレア……それにしても彼ってば、大事なクッキー忘れるなんて……」
「幸せで舞い上がってるんだよ」
それは私も一緒だった。
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