Reunion




「暫く、ここで寝泊まりをしてくれ」


案内されたのは、用意された部屋のある城瓜二つの城だった。


「皆も直に来る」
「コルク!」


部屋を出ようとするコルクの手を咄嗟に掴む。


「どうかしたか?」
「あの……」


掴む手が……震える……
すると、彼は震える手をそっと握ってくれた。


「落ち着くまで、傍にいよう。動揺させたのは俺だからな」


手が離れると、そっと身体が触れた。
知らないうちに身体も震えてたらしく、優しく肩を抱いてくれた。
……ワレモノを扱うように。
こんなに優しくされた事なんて無かった。

心臓が……ドキドキうるさくてうるさくて……聞かれてしまわないかと、またドキドキが気になった。

──私が落ち着くと、コルクは立ち上がった。


「あの……」
「ゆっくり休め。俺は他の者の様子を見てくる」
「……うん、気を付けて」


彼は……私にだけ優しいわけじゃない。
解ってることなのに──
きゅって……何?



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