Reunion
翌日は、ただボーッと過ごした。
昨日の出来事が夢だったんじゃないかって…………
けど、現実。
ノアから渡された
夜遅く、ドアを叩く音が聞こえた。
「……誰?」
「俺だ」
ドアを開けると、そこにはコルクが立っていた。
「こんな時間にどうしたの?」
「オペラという男を知っているか?」
「……オペラ……オペラ!? 彼を知っているの?」
「見回りの者が彼を発見した。会いに行くか?」
コルクは笑顔で言った。
「え? いいの?」
「だが、短時間だ」
「……分かった」
道中、オペラが怪我をしていることを聞いた。
それから彼も“人質”だということ。
「オペラという男は、先程の男とは違うな」
「え?」
「瞳(め)が生きていた。俺はそれを気に入った」
──暫く歩くと、病院に着いた。
彼は想像よりも怪我の程度が酷かった。
「クレア……本当に君だった。彼から名前を聞いた時は信じられなかったよ」
「オペラ、どうしてここに……?」
「あの日……連れて行かれる君を見掛けて、それを報告しに上階に行ったんだ……地獄を見てしまった……」
ガタガタとオペラは身体を震わせる。
「……試験の合否ともに……地獄が待ってる……んだよ……」
「どういうこと……?」
「…………っ…………上の者達のお気に入りになるか…………餌にされるか……その試験だったって事だよ!」
「嘘……」
不信感は……
確信のあるものに変わった。
「それじゃ、ユノは? 希望を胸に試験を受けたじゃない! 合格して出て行──」
「不正発覚、不合格って噂を聞いた」
「……不正……?」
「詳しくは分からないけど……けど、ユノは……ユノは、死んだ」
「……え?」
オペラの話は右から左へと抜けて、頭に残らない……
なんで?
……どうして?
ユノが…………
「そして、ノアが行方不明になった」
それを聞いて、黙って聞いていたコルクが口を開く。
「その男なら会ったぞ」
「え? 良かった……あいつ、生きてたのか」
「……今は、な」
「そっか…………何があったか知らないけど、クレアが元気そうで良かった」
「オペラこそ……」
オペラはコルクを見て、深々とお辞儀をした。
「…………目が覚めて、ここは天国かと思った……」
そう言って、オペラはコルクを見た。
「大袈裟だ」
「いや……君は偉大だよ、コルク」
.