Reunion




「……さっきの彼、知り合い?」
「え?」


声を掛けられ、気が付くと……
私は自分に与えられた部屋にいた。


「……ローレン……私……」
「気を失ったあなたをコルクが運んでくれたのよ」
「……コルクが?」
「そう。敵に背を向けて。護衛を信じてはいるんだろうけど、決意の現れよね」
「え?」
「例え知り合いでも、コルクはあなたを手放さないって」


ディオス様にとって、私はまだ認知すらされていないはず。
そなのに……どうして?


「さっきの彼は恋人だったの?」
「え! ち、違います! 友達なんです……もう、ずっと昔……の話ですが」
「そう……それじゃ、辛いわね」


ローレンは続けて、
“下手をすれば、彼は死ぬことになる”
と、言った。 


「そん……な……」
「……幸せには犠牲が付き物なの」


泣きそうな顔で笑うローレンに私は抱きついた。
“失う”ということが怖くて、怖くて……

──ローレンは、私が落ち着くまでずっと背中を擦ってくれた。



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