Reunion




──正直、一瞬……ノアだって分からなかった。
彼は……私のよく知る“ノア”じゃなかったから。

“クレア、そこはこうだ。XがるからYは──”

“だぁっ! わっかんね! やめやめ! 一旦息抜き!”

ノアの仮面を被った別人じゃないかって……そう思いたかった。


「奪われたら奪い返す!」


そう言って、ノアは剣を振りかざし……空を裂くように──


「やめて──!」


そこにはたくさんの人々が集まってきていた。
こんな所で剣を振り回したら──


「…………っ!」


私の声にノアの顔が引きつった。

ううん、違う──!


「俺の存在を忘れるな」


コルクがノアの剣を受け止めていた。


「返せ! クレアもユノも他の奴らもだ!」


ユノも……ここにいる、の?


「彼女以外は知らない」
「嘘をつくな!」
「嘘ではない」


その言葉にノアは鼻で笑って、口を開いた。


「3日だ。その間に奪った奴らを搔き集めろ、いいな? こっちもその間に証拠を集めて、言い逃れ出来ねぇようにしてやる」
「…………嫌だ、と言ったら?」
「てめぇの首を切り落としてでも奪い返す」


そう言うと、ノアは私に近付いてきた。
無意識に私の足は一歩、二歩と後ろに下がる。


「クレア、3日待っててくれ。必ず、助けに行く……この男は“死神”だとディオス様は言っていた」
「ディオス……様、が?」
「…………騙されんなよ、クレア」


そう言って、ノアは私に何かを握らせた。


「ノア……オペラは?」
「…………元気にやってるんじゃないか」
「…………そっか」


──妙な胸騒ぎがした。
……何となく……もう昔のようには戻れないんだなって、そう……思った。



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