香月 空
暗い部屋に真っ赤な床。
倒れている二人、息は無い。
『パパ……ママーッ!!』
オレを見下す、4つの目。
……オレを生き地獄に陥れた。
憎い……ニクイ──
今でも悪夢に魘される。
けど、オレはもう子供じゃない。
ヤツらを見付け出したら、必ず──
〈Sky-blue heart〉
「香月くん、どうかした? 顔色が悪いけど」
「また、オマエか……オレに関わるな……」
「昨日も同じ事を言われた」
そう言って、彼女はオレの隣の席に座る。
「……さっき、泣きそうな顔してたけど」
「関係ないだろ……心に入り込もうとするな」
「何よ、その言い方。心配してるのに」
心配はマーサだけがすればいい。
オレには彼がいればいい。
今までがそうだったように。
他人が口にする“心配”は、そう──
「偽善」
「え?」
「偽善者だって言ったんだ」
最初から彼以外を信じていない。
「もう勝手にすれば」
「オマエは昨日も、そう言った」
「明日は、ないかもしれないよ」
「…………」
“明日は無い”……
不安が襲いかかる。
過去の記憶、それから──
オレ自身の未来。
ヤツ等はオレを生かしているんじゃないか──?
果実は熟した時が美味い。
つまり、熟すのを待っている……
「ちょっと、また顔色が──」
「触る……な」
「香月くん!」
倒れそうになったオレは彼女に抱き留められる形で助けられる。
不思議と嫌では無かった。
母親を思い出す──
「香月くん、大丈……泣いているの?」
「見るな……っ」
そう言うと、彼女の腕に力が入る。
“顔は見ない。泣けばいい”伝わってきた。
……オレは少し、泣いた。
「やっぱ、明日からも心配する」
「……涙を弱みだと思うな」
「香月くんが心配なだけだよ」
彼女の言葉は偽善では無いのかもしれない。
体に残る温もりが、そう告げている──
「あれ? 今度は、もしかして笑ってる?」
「笑うかよ」
「ほら、空も笑ってるよ」
と、彼女は上を指差した。
紛らわしい。
オレの名前、今は……香月 空だ──
Sky-blue heartー空色の心ー
....END....
倒れている二人、息は無い。
『パパ……ママーッ!!』
オレを見下す、4つの目。
……オレを生き地獄に陥れた。
憎い……ニクイ──
今でも悪夢に魘される。
けど、オレはもう子供じゃない。
ヤツらを見付け出したら、必ず──
〈Sky-blue heart〉
「香月くん、どうかした? 顔色が悪いけど」
「また、オマエか……オレに関わるな……」
「昨日も同じ事を言われた」
そう言って、彼女はオレの隣の席に座る。
「……さっき、泣きそうな顔してたけど」
「関係ないだろ……心に入り込もうとするな」
「何よ、その言い方。心配してるのに」
心配はマーサだけがすればいい。
オレには彼がいればいい。
今までがそうだったように。
他人が口にする“心配”は、そう──
「偽善」
「え?」
「偽善者だって言ったんだ」
最初から彼以外を信じていない。
「もう勝手にすれば」
「オマエは昨日も、そう言った」
「明日は、ないかもしれないよ」
「…………」
“明日は無い”……
不安が襲いかかる。
過去の記憶、それから──
オレ自身の未来。
ヤツ等はオレを生かしているんじゃないか──?
果実は熟した時が美味い。
つまり、熟すのを待っている……
「ちょっと、また顔色が──」
「触る……な」
「香月くん!」
倒れそうになったオレは彼女に抱き留められる形で助けられる。
不思議と嫌では無かった。
母親を思い出す──
「香月くん、大丈……泣いているの?」
「見るな……っ」
そう言うと、彼女の腕に力が入る。
“顔は見ない。泣けばいい”伝わってきた。
……オレは少し、泣いた。
「やっぱ、明日からも心配する」
「……涙を弱みだと思うな」
「香月くんが心配なだけだよ」
彼女の言葉は偽善では無いのかもしれない。
体に残る温もりが、そう告げている──
「あれ? 今度は、もしかして笑ってる?」
「笑うかよ」
「ほら、空も笑ってるよ」
と、彼女は上を指差した。
紛らわしい。
オレの名前、今は……香月 空だ──
Sky-blue heartー空色の心ー
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