Doll Ⅱ




新学期に入り、三週間が経ちました。

ですが、クラスで仲良くなった女の子が未だに出来ません!もう友達作りって、どうしたらいいんですか?



「ワンダーちゃん、どうしたの?テンション低くない??」

「低くもなるよ。未だに友達が出来ないんだから」

「ぼく、ワンダーちゃんの友達じゃないの?」


いちいち返すのが面倒になってきた。私は机に突っ伏す。そんな私とエンジュのやりとりに見かねたハルクが入ってくる。



「アリスが言ってんのは女のダチだろ?てか、そんなことしてる暇あるなら話しかけにいけよ」

「簡単に行けるなら行ってるわ。行けないから困ってるんじゃない!」


一年の時の同じクラスの人がいるハルクはいいわよね。こんな悩みないんだから。
いや、私にも同じクラスの人は何人かいるけど、挨拶する程度だし。もうこのイライラはどこにぶつければいいの。



「ダリアと話せばいいだろ?アイツも女だし」

「ダリアさん、か」


ハルク達と同じ向こうの人でも、珍しく私にも優しいんだけど、年上だからか、気軽には話せないんだよね。大人っぽいし。悪い人じゃないんだけど。今も少し離れた席にいる女の子達と何か会話していた。羨ましい。



「……お前、面倒くせーな」

「ハルクにはわかんないよ!」


頭に来た私は席から立ち上がり、教室を出る。



「おい、授業始まっ…」


後ろから声が聞こえたけど、無視した。本当にデリカシーがないんだから!

教室を出てから、すぐにチャイムが鳴ってしまったが、戻るに戻れず、私は授業をサボる羽目になった。


どこに行こう。あ、あそこなら人は来ないはず。

私は身を隠そうと図書室に来た。しかし、バレたら、まずいから奥の方に隠れることにした。



うーん、ここら辺でいいかな。
本棚に手を伸ばし、本を取る。やっぱり読書はいいな。しばし現実を忘れられるし。そうだ、前にリクに教えてもらった本があったはず。確か、タイトルが…。あった。これだ。本を手に取り、その場で読み始めた。



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