Iberis


「あれ?アガット。一人?」

「アリスさん。はい。お嬢様は今、席を外されてるので」


彼女は、お嬢の専属メイドのアガット。歳はおれと同じ20歳だ。てか、口元のホクロがセクシーだが、彼女自体はキレイというよりは可愛い感じの子だ。



「アガットはいつもお嬢に優しいよね。あの暴力的なお嬢に」

「そうですか?お嬢様も優しくて可愛いですよ」

「そう?おれからしたら、全然可愛いくな……痛たたたた!」

「悪かったな!可愛くなくて」


いつからいたんだよ。このお嬢は!本当におれに対して、ツンばっかだな。てか、耳を強く引っ張らないで。痛いって!

しばらくしてから、お嬢はおれの耳を引っ張るのをやめた。あー、痛かった!



「お嬢、おれに対してまったく容赦なさ過ぎじゃないですか?」

「お前が失礼なことばっか言うからだろ!」

「アガット。これのどこが可愛いいの?」

「可愛いですよ!」


ダメだ。
アガットに聞いたのが間違いだった。思考がお嬢は可愛いと植えつけられてるんだ。



「おれはお嬢よりアガットの方が可愛いと思う」

「え…?」

「……💢」

「痛てー!!マジで痛いから。お嬢!!」


お嬢がおれを叩いてくる。やめてくれと言っても、お嬢は止めてくれない。おれが何をしたんだよ!










少し離れた場所から、その3人を見ていた者達がいた。



「あははは。アリスくんって、本当に面白いくらいに鈍いよね!アンバー」

「あれは死んでも治らないんじゃないですか。あの鈍感さは…」

「見ている分には楽しいけどね。だって、あれさ、ハルクが嫉妬してるだけだよ。自分も可愛いと言われたい。でも、アリスくんは言ってくれない。しかも、言われたのは自分じゃなくてアガット」

「アガットも満更でもない顔をしてますからね…」

「三角関係だね!じゃあ、あたしも入って来ようかな」

「カルロ様、やめてください。もっと炎上しますから」

「えー。面白くなるの間違いじゃない?」

「いえ、更に悪化するだけです!だから、やめてください!!」





【END】
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