Doll Ⅰ
「ダリア!」
「あら、ラセンにセツナ。久しぶりね」
「元気で何よりだ」
私達と一緒に帰ってきたダリアさん。家に連れてきたら、セツナとラセンに温かく迎えられた。
ラセンって、ハルクとセツナ以外にはそっけないと思ってたけど、ダリアさんには普通だな。しかも、セツナまでも優しい顔だし。珍しいこともある。
明日雨かな?せっかくの桜が散っちゃう…。
「ダリアさんって、セツナやラセンと仲がいいね」
「昔からの知り合いだからな。ダリアもオレとセツナとタメだし」
年上か。どおりで大人っぽいわけだ。
「そういえば、チサトは?一緒じゃないの??」
「一緒よ。でも、今日は会えないけど、近いうちに連れてくるわ。チサも皆と会いたがっていたから」
チサト?女の子かな。
三人の会話を聞きながら、そんなことを考えていたら、ハルクが私に言う。
「言っておくけど、チサトは男だからな」
「男の子なの?てっきり…」
「名前が女みたいだったから、昔よくいじめられてたな。体弱かったのもあったし、余計に」
「そうなんだ…」
今はまだ見ぬ男の子に優しく接しようと思った。
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