Doll Ⅰ




「ダリア!」

「あら、ラセンにセツナ。久しぶりね」

「元気で何よりだ」


私達と一緒に帰ってきたダリアさん。家に連れてきたら、セツナとラセンに温かく迎えられた。
ラセンって、ハルクとセツナ以外にはそっけないと思ってたけど、ダリアさんには普通だな。しかも、セツナまでも優しい顔だし。珍しいこともある。

明日雨かな?せっかくの桜が散っちゃう…。



「ダリアさんって、セツナやラセンと仲がいいね」

「昔からの知り合いだからな。ダリアもオレとセツナとタメだし」


年上か。どおりで大人っぽいわけだ。



「そういえば、チサトは?一緒じゃないの??」

「一緒よ。でも、今日は会えないけど、近いうちに連れてくるわ。チサも皆と会いたがっていたから」


チサト?女の子かな。
三人の会話を聞きながら、そんなことを考えていたら、ハルクが私に言う。



「言っておくけど、チサトは男だからな」

「男の子なの?てっきり…」

「名前が女みたいだったから、昔よくいじめられてたな。体弱かったのもあったし、余計に」

「そうなんだ…」


今はまだ見ぬ男の子に優しく接しようと思った。



.
5/6ページ
スキ