Bigleaf periwinkle 3




【ハルクside】



「あなたって、本当に変わってないのね。体だけ成長しても中身が全然成長してない。別にあなたに気持ち悪く思われても構わないわ。私、あなたに好かれたいなんて思ってもいないし。二度と顔も見たくない。さよなら!」


アリスにひっぱたかれた男は、余程ショックだったのか放心していた。だが、すぐに我に返り、アリスの後を追おうとする。



「アリス、待って。頼む!」


おいおい。コイツ、あそこまで言われてまだわかんねぇのかよ。諦め悪いヤツだな。
だから、アリスの後を行かせないように割り込んだ。



「あそこまでぶちギレのアリスを追いかけてもムダだぜ?」

「うるさい!離せよ!俺はアリスに…」

「アリスがお前の話を素直に聞くと思うか?……ないない。それに告白したところでこっぴどくフラれるだけだぜ。エリカくん?」

「……お前、なんなんだよ。さっきから邪魔しやがって!…このっ!」


お、何か矛先がオレに来た。殴りかかって来ようとしてるから、お望み通り相手になってやるか。殴りかかってきた拳を手で受け止めて掴む。簡単に受け止められるとは思っていなかったんだろう。
てか、これくらいの力じゃ大したことねぇな。



「は、離せよ!」

「いいぜ」


ニコッと笑って答えた後、ソイツの腕を掴み、背負い投げた。受け身も取ってないから、すげー音を立てて、倒れた。意識は……あるみたいだな。だが、立ち上がれないのか、まったく起き上がって来ない。だから、オレはひっくり返ったままのソイツに近づく。



「残念だけど、アリスにはオレがいるから。お前の入る隙間はないから。諦めな?」


それだけ言うと、オレはさっさとアリスの後を追いかける。オレが離れてから、アイツと同じ制服着たヤツらがアイツの元に向かって、声をかけていた。


外に出ると、少し離れたところにアリスの姿を見つけて向かう。すると、アリスがオレに尋ねる。



「何か今、凄い音しなかった?」

「そうか?オレには聞こえなかったけど」

「ま、いいか。あれっきり聞こえないみたいだし」


そう言うと、アリスは何故だか家に向かう方とは反対の方向に歩き出す。



「帰るんじゃねぇの?」

「何か食べてから帰ろうと思って。付き合ってくれない?」

「いいぜ」


丁度、小腹も空いてきてたから、アリスの提案に乗った。



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