Bigleaf periwinkle 2
授業が終わり、帰ろうとハルクと廊下を歩く。隣を歩いているハルクがおれに言った。
「お前、あちこちからすげー睨まれてるぞ。特に男から」
「きっとうちのクラスで授業を受けたことを聞いたんじゃない?おれと仲良さそうにしてたとか授業中の写真を撮って流したやつがいたみたいだから」
「お前もヘラヘラ笑ってたからなー。お前の大好きな可愛い女の子だし」
「別に。おれとナナちゃんは昔同じ保育園で遊んだことあるだけだよ。それ以上でも以下でもない!」
「ふーん…。お前はそうかもしれないけど、向こうはそう思ってねぇかもよ?」
「どういう意味だよ!」
「本当に鈍感だな、お前…」
昇降口に着いて、靴を履き替える。ハルクと校門に向かって歩き出そうとしていると、校門に他校の生徒がいると誰が話していた。
いるのは女の子で誰かを待っているらしく、数人の男達が遠巻きに見たり、声をかけているようだが、相手は相手にしない。
一瞬、ナナちゃんかと思ったが、彼女はあの後は別の仕事が入っていたらしく、もう学校にはいない。明日、また撮影に来るんだろう。あと制服もうちの着ていたから違うか。
制服は近くにある可愛い女の子が多いと言われてるお嬢様学校のもの。他の誰かを待っているんだろう。おれには関係ないと思って、ハルクと通り過ぎようとした。
すると、いきなり腕を掴まれた。痛たた。誰だよ、人の腕を掴むやつは…。ハルクは横にいるし。顔を見ようとそっちに目を向けた。そこにいたのは、昨日再会したばかりのエリカだった。
「アリス!」
「エリカ…」
おれは、ナナちゃんと会ったことですっかり忘れていたようだ。
【3に続く】
(2022.01.04)
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