Ⅱ(前)
セレストの彼女のライムちゃんと仲良くなって、ひょんなことから、例のマリーゴールドを紹介してもらった。
「よろしく!」
「……………よろしく…」
しかし、彼女はあまりおれと話すどころか、近づこうともしない。明らかに拒絶をしていた。
おれ、何かやっちゃった?そう思って、ライムちゃんにマリーゴールドが帰った後に聞いてみたが、「ルビーくん、今回はやらかしてないよ」と首を振った。…ん?今回は…って何?いつもやらかしてるような言い方だよ、それ。
でも、やっぱり何もしてないよな。じゃあ、何故?考えても、ちっともわからないまま。
その後も学園の廊下で会った時は、挨拶はしてくれるんだけど、話はしてくれない。
やっぱり庶民とは仲良くなりたくないのかもな。マリーゴールド家も名家みたいだしな。
おれは、マリーゴールドと話してみたいんだけどな。
別の日にセレストにマリーゴールドのことを聞いてみたら、やっぱり彼女は親しい相手としか話さないらしい。セレストとも会話は数えるくらいしかないようで、ライムちゃんとは仲が良いらしいが、一番ではないそうだ。
マリーゴールドと一番仲が良いのは、インディゴ・ダイヤモンドだと聞いた。問題児と噂があったっけ。おれ、一度あの子にプリントを拾ってもらったことあるけど、全然悪い子じゃなかったぞ。口は悪かったけど、一緒になって、探してくれたし。性格も女の子でも男前な感じだった。ああいう子なら、友達になりたい。また会えたら、今度は話しかけてみよう。
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