Young Leaves
食堂に着いて、早速食べたい定食を選んで、サフィとペリドットを探す。窓際の席のところに二人を見つけて、近寄る。
「お待たせー!」
「おっせーぞ、ルビー!」
「ごめん。つい寄り道してたら、遅くなっちゃってさ」
そう言いながら、ペリドットの隣の席に座る。二人は既に食べ終えていた。おれ、来るの遅かったしな。
あー、お腹空いた!いっただきまーすと手を合わせて、ご飯を食べ始める。
「ルビーがわざわざ立ち止まって見るなんて、珍しい。一体、何を見てたんだ?」
「ほるふぇとまにーほおるご」
「行儀悪い。ちゃんと食べてから話せ!」
「痛っ!」
向かい側のサフィがおれの頭を軽く叩く。もう叩きすぎ!
「サフィ、痛い!おれ、もぐらたたきのもぐらじゃないんだから!」
「仕方ないだろ。オマエの頭は叩きやすいからな」
むー。この坊っちゃまは、生意気すぎる!おれより二か月も年下のくせに。
「ルビー。ドルチェとマリーゴールドがどうしたの?」
「ペリドット。今のでよくわかったな…」
「そうそう。あのさ…」
おれはさっきの話をした。
流石にあまり大きな声では言えないから。少し小さい声で。幸い、周りにはおれ達以外、人はいなかった。
「マリーゴールドか。確かにあまり笑うところは見たことないな」
「それが良いと思ってるヤツらもいるけどな。一部の間では、クールビューティーとか言われてるぜ」
クールビューティーか。似合う。似合うけど。それよりももっと似合う言葉があるはず。
「おれ、一度だけ見たことあるけど、可愛いかったよ。普段から、ああ笑えばいいのにさ」
「笑ったら、もっと人気出ちゃうんじゃないか?今でも人気あるのに。マリーゴールドは…」
「そっか…」
あの笑顔は、やっぱり他のやつに見て欲しくないかもしれない。
……ん?おれ、何でそう思うんだ?
すると、サフィがおれの顔を見ながら、言った。
「ルビー。オマエ、マリーゴールドが気になるのか?」
「え?違うよ」
「それならいいけど。マリーゴールドだけは好きになるなよ?」
「ないって!ドルチェがいるんだからさ」
おれは箸を進め、食事に集中した。早く食べないと昼休みが終わっちゃうしな。唐揚げがうまい!
食べ終わると、昼休みが終わる5分前。サフィとペリドットとは食堂の出入り口で別れた。
次の時間、何だったっけ?
あ!それよりセレストに教科書を見せてくれたお礼にカフェオレでも買おう。おれは自販機に寄ってから、教室に戻ることにした。
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