Young Leaves




入学して、三ヶ月が経った。
最初はこの学園に絶対に馴染めないなーなんて思いながらも、何とか慣れてきた。未だにおれを見ると、庶民とバカにするやつらはいるけど。気にしない。
流石に頭に来たら、殴ろうとは思う!いいよな?向こうがケンカ売ってきてるんだから。おれ、やられっぱなしなんて嫌だし。



「……あ」


鞄から教科書とかを取り出していたら、ある教科の教科書だけがない。しまった。



「どうした?ルビー」


おれの声が聞こえたらしく、隣の席のセレストが声をかけてくる。

セレスト・ジェラート。爽やかお坊っちゃま。この学園に入って、同じクラスで何かと声をかけてくれる。本当にいいやつでさ、ついつい甘えてしまう。たまにセレスト様の手をわずらわせるなーとか言ってくるやつらがいるけど、いいじゃん。セレストはわからないことがあったら、何でも聞いてくれって、言ってくれてるんだから。おれ、この学園では初心者なんだよ?
しかし、イケメンなのに性格もいいって、何なの!?

いとこのサフィなんて、顔良くても容赦がないからね。すぐに頭を叩いてくんだよ!「バカになったら、どうすんの!」とか言ったら、「もうバカだろ?」って言うんだよ。ひどくない?



「現国の教科書、忘れちゃった。セレスト様、見せてくんない?」

「ははっ、どうぞ」

「ありがとう!本当におれ、セレストに足を向けて寝れない!」

「大げさだな。ルビーは」


これくらい気にすんなと、セレストは言った。器が大きいな。男はこうじゃないと!

ふと前を見る。そんなおおらかなセレストとは違い、またしても文句言ってくるやつがこちらを睨んでいた。それに引きかえ、あいつは器が小さいな。後でセレストがいないところで、またおれに言いに来るだろう。あー、やだやだ。




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