序章 side A

それから部屋を出て、私は一人考えていた。


リク様と一緒にいたい。いたいのに、私の血をリク様は飲めない。飲んでしまったら、彼は死んでしまう。

今回は何とか助かったけれど、次はわからない。



リク様が、死ぬ?





「何で。やっと気持ちも通じ合えたのに、私とリク様は一緒になれないの!!どうして!!」



毒もあれば、吸血鬼にも運命の血が存在すると、聞かされた。そっちも毒同様に見つかること自体、少ないらしい。

運命の血ならば、幸せだった。普通の血でも良かった。


だが、現実はリク様にとって、私は毒の血。
私の血がリク様に毒となるならば、私の血が他の誰かの運命の血になるってことだ。それは見つからないとは思うけど。

私にとって、リク様以外どうでもいいのに…!



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