Rai Ⅱ
最近、おもしれー狩りの仕方を教わった。
「今日は貧乳、な」
「おっけー!」
最近、知り合った“そいつ”はすげー面白くて。
ずっと一緒にいても全く飽きない。
けど、お互いに名前を知らない。
更に“そいつ”は、毎回“別人”で来る。
どれが本当の姿なのか……興味もねーけど。
「何人捕まえたの、おまえ?」
「……20」
「おれも!」
そういや、昨日も同じ。
一昨日も同じだったっけ。
「って、男ばっかじゃん」
「男は皆、貧乳。けど味は濃いから」
「確かにそうだな! しっかし、貧乳って……あッはは! 楽しんだの?」
「……男相手に?」
「おれは極限まで追い込むんだ……助けを乞う顔、たまんねーし。今日はこれがナンバー1」
思い出しただけでもゾクゾク、興奮が甦る。
「そうなんだ。ところでさ、身内の血は嗜んだことある?」
「へ? 身内って」
「自分に近い血って事」
……あるわけねーじゃん。
考えた事だって……
「たまんないよ。自分と同じ……でも濃度が違うんだ……身体の中で起こる化学反応……一族の持つ力も強くなる。いい事だらけなんだ」
「一族の持つ力? そんなのおれにはないけど?」
「兄弟、たくさんいるんだよね?……薄まってんだよ、きっと」
「ふーん」
もしかして、おれの知らないところで誰か力を持ってたりすんのか?
……怪しいとすれば、カルロってとこか?
「1滴だけでも化学反応は起こる。2滴、3滴……それ以上も化学反応」
「おまえ、どんな能力持ってんの?」
「それはね──」
耳元で囁かれたそれは、とても衝撃的で。
とても魅力的なものだった。
「身内は油断しきってるからね、案外簡単なんだ。それと、運命の二人だっけ? くだらない。しきたりみたいでさ」
「そっちも、なんかあんの?」
「何回か味わったことがあるんだよね、主に相手側」
「そんで?」
身体中、興奮で鳥肌が立った。
「最高だったね。何が起こったかは自分で確かめるといいよ。けど、1つ言うとしたら……一度味わったら忘れられない」
「そんなにいいんだ」
やるな、そう言われるとやりたくなる。
見るなって言われたら、余計見たくなるアレだよな。
「けど、ヤってしまったその時は……もう戻れない……って、聞いてない……か」
気になりはじめたら、とまんねー。
獲物を誰にするか、そればっかりだ。
「息が上がりはじめてるけど、大丈夫?」
「ん? あ、ああ……」
「もう満足したから、帰るね。残り、いる?」
「いいのか? こいつら気を失ってるだけだろ?」
「ヤりたきゃ、ヤればいいよ。じゃあね」
「また明日、くるのか?」
「……来るよ」
笑顔でそう答えて、消えた。
「……勢いでもらったけど、いらねーや。それより……」
それより、さっき話してたアレ──
アレ、アレ!
今すぐ試したい──
「……単純なヤツ。さっさと、こっちにおいでよ……ダークライ」
END.
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