序章 side H
てっきりアイツとリク兄は別れると思っていた。
だが、そのことでより二人の仲は深まったらしい。
「私は探します。リク様と一緒になれる方法を」
「運命の相手がいるのに、君はその相手じゃなくて、リクを選ぶの?」
「はい。私はリク様が好きなんです!リク様以外なんていりません!!自分の運命は自分で決めます!誰かになんか決められたくありません」
アイツはハッキリとそう言った。
同時にオレの胸は、ズキリと痛んだ。
「…だってさ、ハルク」
「……別に。どうでもいい」
胸の痛みに耐えられず、その場から立ち去る。
……やっぱり覚えてねェんだ、アイツ。
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