序章 side H
談話室に来ると、タスク兄がいた。
タスク兄は、使い魔のメイズと笑っていた。きっとお菓子でもあげていたのだろう。テーブルの上にお菓子の袋が散らばっていたから。
しかし、オレに気づくと、タスク兄が何故かジッと見てくる。
「ハルク。お前、痣が出来てんじゃん。ここ」
「え?」
タスク兄に指摘された部分に目を向ければ、変わった痣が出来ていた。
「何でこんなところに…」
不思議に思っていたら、そこへカルロが現れた。
「どうかした?」
「痣が出来てんだよ、ここに…」
「ああ。その痣は運命の血が見つかった証だよ。へぇ。本当に文献通りなんだね」
オレの痣を見たカルロがマジマジと見る。それを聞いたタスク兄も驚きの声を上げた。
「マジ?あんなのお伽噺だと思ってた!」
「…マジかよ」
「運命の血は、すぐにわかるはずだよ。自分にしかわからない甘い匂いがするんだ。飲めば味は極上。痣が出来たなら、もう飲んだだろ?」
確かにそうだ。甘い匂いがして、引き寄せられるように血を求めた。
思い出しただけで、また飲みたくなった。あれだけ飲んだのに…。
「これでもう他の血は飲めなくなったね、ハルク。……それで相手は?」
「相手??」
「痣が出来たんだから、その相手の血を飲んだんでしょ?お前の運命の相手」
「何だっけ?あの女。リク兄とよく一緒にいるアイツ……………アリス」
「え?アリス??アリスはリク兄と付き合ってんだろ。何でお前がアリスと運命になってんの?」
「は?付き合ってる??リク兄がアイツと…」
だから、よく一緒にいんのか。
あの女、オレには全然笑わねェのに…。オレの態度も原因なんだろうけど。
「じゃあ、リク兄もアイツの血を飲んだんだろ?」
「飲んだよ。でも、リクにアリスの血は合わなかった。リクには毒だったんだよ」
「え?」
毒?毒の血もあまり見つからないはずなのに。しかも、自分の女が毒の血なんて…。一緒になれねェじゃん。それは死ぬようなもんだし。
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タスク兄は、使い魔のメイズと笑っていた。きっとお菓子でもあげていたのだろう。テーブルの上にお菓子の袋が散らばっていたから。
しかし、オレに気づくと、タスク兄が何故かジッと見てくる。
「ハルク。お前、痣が出来てんじゃん。ここ」
「え?」
タスク兄に指摘された部分に目を向ければ、変わった痣が出来ていた。
「何でこんなところに…」
不思議に思っていたら、そこへカルロが現れた。
「どうかした?」
「痣が出来てんだよ、ここに…」
「ああ。その痣は運命の血が見つかった証だよ。へぇ。本当に文献通りなんだね」
オレの痣を見たカルロがマジマジと見る。それを聞いたタスク兄も驚きの声を上げた。
「マジ?あんなのお伽噺だと思ってた!」
「…マジかよ」
「運命の血は、すぐにわかるはずだよ。自分にしかわからない甘い匂いがするんだ。飲めば味は極上。痣が出来たなら、もう飲んだだろ?」
確かにそうだ。甘い匂いがして、引き寄せられるように血を求めた。
思い出しただけで、また飲みたくなった。あれだけ飲んだのに…。
「これでもう他の血は飲めなくなったね、ハルク。……それで相手は?」
「相手??」
「痣が出来たんだから、その相手の血を飲んだんでしょ?お前の運命の相手」
「何だっけ?あの女。リク兄とよく一緒にいるアイツ……………アリス」
「え?アリス??アリスはリク兄と付き合ってんだろ。何でお前がアリスと運命になってんの?」
「は?付き合ってる??リク兄がアイツと…」
だから、よく一緒にいんのか。
あの女、オレには全然笑わねェのに…。オレの態度も原因なんだろうけど。
「じゃあ、リク兄もアイツの血を飲んだんだろ?」
「飲んだよ。でも、リクにアリスの血は合わなかった。リクには毒だったんだよ」
「え?」
毒?毒の血もあまり見つからないはずなのに。しかも、自分の女が毒の血なんて…。一緒になれねェじゃん。それは死ぬようなもんだし。
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