Doll 8ーGirl of time
──翌朝。
何事も無かったように朝食を食べる。
それぞれが複雑な思いを抱えている。
「ごちそうさま」
「あら? 全然食べてないじゃない。どこか悪いの?」
「ううん。これから友達と約束してるの」
嘘、ついた。
本当はハルクと顔を合わせたくない口実。
「なぁなぁ、そいつって女?」
タスクさんが興味津々と言った様子で聞いてきた。
昨日の彼とは、また別人だ。
「そ、そうだけど」
「じゃ、オレっちも行こうかな」
「え──」
と、背後から声がする。
「遊園場くらい何さ。久しぶりに会ったんだよ?」
「興味ねェ! つぅか、離れろ」
「いいじゃん、別に」
ハルクとラセンだ。
こうやって見ると──
「お似合いねぇ、あの二人。アリスもそう思わない?」
「……そうだね、ママ」
──何で?
私が好きなのは、リクなのに──
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